平成26年11月 靖国神社社頭に掲示されました遺書 合掌
お母様への覚悟の遺書をしたためなければならなかったお心にご冥福をお祈り申し上げます。
九段短歌選者三井勝生先生のお言葉より
11月23日は「勤労感謝の日」として国民の祝日となっていますが、本来は新穀を供えるお祭りの日です。
現在も宮中の神嘉殿では、天皇陛下御親(おんみずか)ら新設を神様に捧げその収穫を感謝する「新嘗祭」が行われ、全国の神社でも斎行されています。
天皇に即位されて最初に行なわれる新嘗祭を 「大嘗祭」 と申し、天皇陛下御親ら衣冠束帯に身を正され真夜二度厳修され、これにより天照大御神の御魂を受け継がれて、
真の天皇となられる宮中の最も重要なお祭りなのです。
今号も三井先生ご指導のもとに掲載いただきました12名の鎮魂の歌をご紹介させていただきます。
いつもご覧頂きまして有り難うございます。今号もお目を通して頂けましたら嬉しゅう御座います。
靖國に神とまつらるつはものの思ひは如何に世論はつきず 京都府 遺児男性
七歳で白木の箱を胸に抱き喪主を務めて秋の夕暮れ 那須塩原市 遺児男性
あの頃は遊んだだらう梅と柚子父の写真に叔母も涙し 甲州市 遺児男性
大き息二度ほど吐きてこと切れし戦争寡婦の母死にたまふ 富士吉田市 遺児男性
信管を外すごとくに生きて行く戦後の日々よ明日は晴れるか 東松山市 遺児男性
季の来て戦死の父の好物の柿を供へる幸せなりき 甲州市 遺児女性
父母の奥津城に来て香煙にしばし身を置く彼岸の中日 青森県 遺児女性
戦死せし父の代りに働きし亡母へ手向けの半夏生咲く 上田市 遺児女性
セピア色思ひし色もうすれゆき聞く人亡くて淋しき心 呉市 遺児女性
海碧く波のうねりの穏かにバシー海峡雲一つなく 南相馬市 遺児女性
人々の流れに乗りて遊就館めぐりきて止まるシベリアの絵に 足利市 遺児女性
追悼式に戦没者の親すでに亡く妻十九人のすすり泣く声 千葉市 私(101首め)
平成26年度 全国戦没者追悼式に戦没者の妻の参列は19人と報道されました。
妻のお立場の皆様の長い間のご苦労に思いをいたし、ご健勝をお祈り申し上げまして詠ませて頂きました。
今号の歌はおかげ様で記念に残ります101首めの掲載を頂きましたことに今後の励みを頂きました。