昭和19年生まれの参加歌人45名の皆様が一人30首+エッセイの素晴らしい作品集を頂きました。
著者代表 大島史洋先生。
我が師 鶴岡美代子先生は「足尾」と題して30首、エッセイは「渡良瀬川に大量の魚が浮かんだ」と、或る日中学校の社会科授業で教わった。
原因は足尾銅山の鉱毒で、その一帯は農作物が芽さえ出なくなって田中正造という人が先頭に立って鉱毒反対運動をしたという内容であった。
と書き始め「五十五年目にして」と題して訪れた様子を克明に記され、お歌と共に改めて学ぶことが出来ました。
先生のお歌一部ご紹介
最初の一首 かつて銅を運びし鉄道の乗客となりて渡良瀬渓谷をゆく
坑夫らの十軒長屋の幾棟の朽ちつつ残る 厨は戸外
禿山を背に二つの巨大タンク今も硫酸容れたるままに
正造の幼日を知るさるすべり旧宅の庭にわれらを迎ふ
財閥と権力に抗ひ私財をも投げ出し田中正造果てたり
大島史洋氏は岐阜県出身ですので
なじみのあるお方です。
お歌のみでなくエッセイも興味深く拝見しております。
大島史洋先生はとてもご活躍ですね。
勿論あとがきは大島史洋先生、第一集1983年刊から
今回の第五集までの記録を6頁に渡って丁寧に綴っておられます。