健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

魚介類中の水銀

2016-02-12 08:30:44 | 研究
魚介類を摂取すると脳内の水銀量が増える可能性があるそうですが、水銀の増加が認知症リスクを高める可能性はなさそうだとする研究結果、JAMAに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究結果は、平均年齢90歳で死亡した286人の遺体解剖に基づいたもので、調査の参加者は平均して死亡する約5年前から、質問票を通じて、自分の食物摂取の報告。この結果、魚介類をより多く摂取した人は、脳内の水銀量もより高かったそうです。しかし遺体解剖では、脳内の水銀が多い人ほど、脳疾患の兆候が増加する傾向はみられなかったというもの。神経毒である水銀は、廃棄物の焼却や石炭火力発電の際に大気や水を経路とし、魚に蓄積。認知や脳の発達に対する水銀の毒性作用は、魚介類に含まれている必須栄養素のセレンによって、その悪影響が低減されている可能性があると考えられるようです。また魚油サプリメントを摂取した人たちは、脳の健康の点では向上も低下もなく、統計上有意な変化はなかったそうです。この研究は、脳の健康と水銀レベルとの関係を調べた初めてのもので、実験参加者の大半は白人で、67%が女性。したがって、今回の結果は若い世代やすべての民族には当てはまらない可能性があるとも。
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