健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

糞便バンク

2016-02-29 08:30:00 | 研究
オランダの研究者らが、血液バンク、精子バンクに続いて同国初の「糞便(ふんべん)バンク」を開設したそうです(AFPBB NEWS)。慢性腸内感染症の患者の治療を目的とした最先端医学の一分野だそうです。新たに立ち上げられたのは「オランダ・ドナー糞便バンク(NDFB)」。糞便移植療法は、慢性の腸内感染症、特にクロストリジウム・ディフィシレ菌(Clostridium Difficile、CD)に苦しめられている患者の唯一の解決策である場合が多いそうです。特に、長期にわたって抗生物質を多用する治療を受けた後の患者の体内で増殖するケースが顕著なのだそうです。糞便移植により、体に良い細菌を体内に戻すことができ、この細菌が移植後に腸内で拡散することで、健全な細菌叢が腸内に再生されるということです。オランダでは毎年約3000人がCD感染と診断されており、感染例の約5%で慢性化するとされているようです。そしてオランダでは毎月約3~4件の糞便移植が実施されているとも。昨年世界初の糞便バンクを2か所開設した米国とは異なり、ドナーに報酬は支払われないそうです。糞便はそれぞれの自宅で収集され、ドナーは匿名性が保たれるそうです。
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