学園の実習はロープワークに始まります。
そして、習熟(しゅうじゅく)するために、卒業まで繰り返し復習します。
漁師になるためには、ロープワークより魚を釣ることが大事じゃないの?
と思う人もいるかも知れません。
魚を取る技術は大事ですよ。
けど、それは漁業種類によって違うし、流儀(りゅうぎ)もあります。
そして、一人前になるのに10年かかるという技(わざ)なんですよ。
学園を卒業しても、半人前。
船によっては、魚を取る作業は新人にさせないことだってあります。
でも、ロープワークは違います。
漁船に限らず、どんな船でも出入港は総員出動。
全員で仕事をします。
その主な作業がロープワークです。
新人で船に乗ったとき、最初からロープワークがあります。
もちろん、学園を出てもベテラン漁師のようには動けません。
でも、なんにも分からずにボケーッと見ているのか、少しでも役に立つのか?
これが大違いです。
もっとも、今の漁師は技術が低下して、ロープ加工なんかは学園卒業生しかできないものもあります。
とにかく、船の仕事はロープワークに始まり、ロープワークに終わる。
それだけ大事な技術で、漁船も同じなのです。
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