静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

端止め

2019年09月20日 08時53分31秒 | 実習

いよいよカツオ一本釣りの竿作りが始まりました。


まずは端止め。
字のとおり、竿の端につける釣り糸を固定するもの。

いきなり竿ではなく、丸い棒を使ってやり方を覚えていきます。
力を入れる部分と、抜いても良い部分を知ることが大事です。


ミクロネシア研修生は別メニュー。
疑似餌(ぎじえ)のバケづくりをおさらいです。


Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
10月のAO入試は来週から願書受付です。
お忘れなく!
詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.ryoushi.jp/regional/22/post_192.html
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/r1-opencampus.html

 園長のつぶやき
二学期になると、生徒は求人票を見ることができます。
学園では入学してから毎月、就職先のアンケートが行われますが、そろそろ具体的な希望を決定する時期です。

生徒の希望と、適性、そして見合う求人が合えば問題なしです。
しかし、この三つの項目が合わないこともままあります。
そして、一番の問題は適性です。

生徒の適性は、学園職員は分かります。毎年生徒を送り出し、漁船で働いた経験もあるますから。
しかし生徒本人には分かりくにい。
このギャップを埋めるのが大変です。

生徒自身は「自分の能力は90点」と思っても、職員から見たら「せいぜい60点」ってことが良くあります。
その場合、生徒が希望する就職先を変更することを勧めます。

職員から「そこは厳しいなぁ」と思っていても、親に頼んで手を回し縁故採用してもらうこともあります。
生徒としては希望が叶います。
でも、就職後にうまく行かないことがほとんどです。

11月から始まる遠洋航海実習で、生徒の本当の適性が分かります。
ぜひ自分の資質をアップして、希望する就職先に行けるようがんばって欲しいです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シラス漁体験実習

2019年09月19日 08時48分29秒 | 授業・講演

静岡市の用宗漁協にある、清水漁協用宗支所にシラス漁体験実習を行いました。
本当は一学期の行事なんですが、台風で延期。
二学期も無線講習が長くなって、スケジュールが厳しくなっています。

地元の小学生の見学もありました。
うちの生徒だけ、船に乗れてごめんね!

今回は天候の良い合間に、なんとか実施することができました。
大きなうねりがあって、こんな生徒もありました。


生徒は7隻の船に別れて乗船。
各船で現役漁師の手際よい動きを見せていただきました。
 


漁から戻ると、漁協で支所長からシラス漁の話しを伺いました。


また、昼食時には捕れたての生シラスをごちそうしていただきました。
加えて47期の齊藤くんが生徒にジュースの差し入れをしてくれました。
まだ18才の齊藤くん、気づかいがさすがです。
50期生も、こんな先輩になって欲しいですね。

Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
10月のAO入試は来週から願書受付です!
詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.ryoushi.jp/regional/22/post_192.html
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/r1-opencampus.html

 園長のつぶやき
AO入試の願書受付が始まります。
昨年くらいの応募があると良いんですが、今年は見学者が少ないので厳しい予感です。
さて、AO入試が始まったのは1990年代だそうです。
かなり前からあったのですが、私が知ったのは8年ほど前、息子の大学受験です。

AO入試は、学力で評価できない受験生の資質を見ようとするものです。
・・・何ですが、多くの大学や専門学校などでは早い時期の入学者確保が目的でしょう。

学園では、高校からの受験者が
「まわりの同級生は秋に就職先が決まる。
 2月まで進学先が決まらないのは不安だ」
との声を聞いたからです。

しかし、なんで通常入試に出はなくAO式にしたかと言うと理由があります。
多少の学力差より、漁師になるための意欲が何より大事だからです。
今までの成績はともかく、学園でがんばることができるかです!
少なくとも、私はそう思います。

今年の生徒は、AO入試の一期生です。
昨年から導入したAO入試を、学園としてどう判断するのか?
それは現在の50期生が、卒業までにどう育つかにかかっています。

いずれにしても、漁師になる気持ちは誰にも負けない!
・・・って人の受験をお待ちしています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミクロネシア研修生の日本語授業

2019年09月18日 08時46分06秒 | 学園行事

学園に来ているミクロネシア研修生の授業内容をご紹介します。
午前中は教室で日本語の勉強。
講師は遠洋カツオ一本釣りの会社の方。
カツオ船でよく使う漁師言葉のレッスンです。

テストは学園の実習用教材を英訳したものです。

日本人なら、なんとなく分かる言葉もあります。
例えば
「えさば」
は餌場で、生きたイワシを入手する場所のことです。
また
「きたぞー」
はカツオが見つかり、漁が始まる合図です。
竿のことを「ハネ」と言います。
これはカツオ一本釣りをハネ釣りと言うからです。


一人は今週から仕事に出航です。
きっと、この日本語の授業が役に立ちますよ。

Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
10月のAO入試をお考えの方は、なるべく早く見学をしてください!
詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.ryoushi.jp/regional/22/post_192.html
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/r1-opencampus.html

 園長のつぶやき
昨日の続きですが、私は沿岸漁業復興のカギは
「漁師が経営ができるか」
にかかっていると思います。

と言いながら、学園では経営の勉強はしません。
それは、ほとんどの卒業生は遠洋でも沿岸でも「雇われる漁師になる」からです。

ところが、ほとんどの沿岸漁業は個人経営。
10トン未満の小型漁船のオーナー兼漁師です。
複数で船に乗る場合もありますが、同乗するのは家族です。

一つ例を出します。
漁師は魚を捕ることは、がんばります。
でもたくさん捕れるときは、他の漁師もたくさん水揚げします。
すると市場での値段が下がり「大漁貧乏」となります。
そこで、たくさん取れることより、高く売れるほうが重要です。

こんなことは、個人でも商売人なら当たり前のこと。
逆に考えれば、漁師は経営がわからなくても、今までやってこれた。
だから、経営がわかれば沿岸漁業もまだまだ魅力がありますよ!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一海特講習終了

2019年09月17日 10時04分01秒 | 授業・講演

英語に始まった無線の一海特講習。
法規、工学、電子通信術と進み、長かった7日間の講習が修了。
後は試験に合格すれば免許をもらえます。


合格発表は約一週間後。
果たして全員合格になったでしょうか?


Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
10月のAO入試をお考えの方は、なるべく早く見学をしてください!
詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.ryoushi.jp/regional/22/post_192.html
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/r1-opencampus.html

 園長のつぶやき
先週、高知県の漁業振興課の方が来園されました。
先に、高知県議会の方々も来園され、「沿岸漁業者を育てる学校を検討されている」とのことでした。
担い手不足で、漁村の多くが存続の危機となっているのが背景です。

漁村の維持のため、沿岸漁業者を育てるとなると、大きな課題があります。
沿岸漁業者のほとんどは自営業です。
5トンから10トンくらいの船を持ち、一人あるいは親子などで操業する個人事業者となります。
個人事業者なので、すべてを自分でやることになります。
魚を捕る以外に、お金の管理をして、税金を払います。
会計帳簿も作ることになります。

漁業会社なら、魚を捕る漁師の他に、事務員を雇っています。
だから、漁船の職員は事務作業がありません。
漁師は船の上で必要な技術だけを身につければよいのです。

しかし、沿岸の個人経営の漁師になるなら魚を捕るだけではダメです。
昔は魚がたくさんいたから良かったですが、これからは違います。
むしろ、魚が減り、売ることを考えなくてはいけない時代です。
魚を捕るより、経営のほうがずっと大事だと思います。

となると、沿岸漁業者を育てる学校では経営面を教えることが必要かも?
経営の勉強、なかなか大変な気がしませんか?
これなら沖合や遠洋の大型漁船の漁師になるほうがずっと簡単な気がします。

あなたが漁師になるなら、どうでしょう?
経営もしっかり勉強して、独り立ちした沿岸の漁師。
あるいは、船で使う技術を集中して身につける大型漁船の漁師か?
一人でやる漁業は気楽そうに見えて、実際はやることがたくさんありますよ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミクロネシア研修生わかたか実習

2019年09月13日 09時00分00秒 | 実習

生徒が一海特講習を行っている間に、ミクロネシア研修生がわかたか実習を行いました。


港を出るときに焼津では珍しいキンメダイの底建て漁船がいました。
ドック入りで来たようで、卒業生が手を振ってくれたようです。
ごめん、気がつかなかった・・・

港を出ると、操船練習。
一緒に乗船した、水産振興課の職員と、インターンシップの大学生もやってみました。
ちょっと写真では分かりませんが、風が吹いていて立っているのも大変な状況。
二人とも船酔いもせずに楽しそうに操船でした。


続いて研修生。
船の装備を説明し、操船をやってみました。


そしてブラン手繰りの実習。
彼らが乗るのはカツオ一本釣り漁船ですが、なにごとも経験です。
毎度のことですが、器用にこなしていました。


Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
10月のAO入試をお考えの方は、なるべく早く見学をしてください!
詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.ryoushi.jp/regional/22/post_192.html
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/r1-opencampus.html

 園長のつぶやき
私が学生のころ、インターンシップをするのは医学部くらいでした。
今はすっかり定着して、卒業単位になる場合もあるそうです。
ところで、漁業の世界にもインターンシップを取り入れたらどうでしょう?って思うんです。

例えば遠洋マグロ漁船。
乗ったら半年か一年、帰ってくることができません。
だから、もっと短い一ヶ月くらいで体験できたらと思います。
マグロ漁船へ就職するハードルがぐっと下がるのではないでしょうか?

でも、これを業界の人に言うとですね
「うーん・・・・・」
必要性は理解してもらえても、船の運用上、簡単でないと言うことです。
通常は一ヶ月で寄港しないことが一番の問題。
でも、今のままではマグロ漁船への希望者は簡単に増えません。
マグロはえ縄漁船のインターンシップをやってくれるのなら
学園の生徒も「実習船やいづ」で行う遠洋航海実習の代わりに参加させたいと思っています。
学園生で寮生活を経験しても、半年以上の漁船生活はなかなかのプレッシャーです。
マグロ船を希望している生徒には、ぜひ実際のマグロ船での生活を経験させたいんですね。

漁業会社単独では難しいかも知れません。
しかし、マグロはえ縄漁船の人材難は業界全体の大問題。
今こそ、全国の漁業会社が協力して若者を呼び込むことが必要ではないでしょうか?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする