静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

下田地区の見学

2019年09月06日 09時00分00秒 | 研修・見学

例年、残暑きびしい9月の初めは富士宮にニジマス養殖の見学に行きます。
それを今年は変更。
下田市にある水産技術研究所伊豆分場がリニューアル。
伊豆分場とキンメダイ漁の勉強をするために下田市に出かけることになりました。

伊豆漁協の下田市場には沖合で取れたキンメダイが水揚げされます。
このキンメダイは伊豆諸島海域で10日ほどの操業で捕られたもの。
漁法は底建てはえ縄です。
最近は、このキンメダイの底建てはえ縄漁船に卒業生が毎年就職するようになりました。

まずは伊豆漁協に。
ここで底建てはえ縄漁船を営む宇都宮水産の社長と、長く船員だった方の講話を伺いました。
生徒も初めて聞くキンメ漁の話しに興味津々でした。


あいにく底建て船の水揚げはありませんでしたが、停泊している船の見学をさせてもらいました。


また、沿岸で捕れる小型漁船のキンメダイの水揚げはありました。
この沿岸のキンメダイは「地きんめ」、底建て船のものは「沖きんめ」と呼ばれます。


そしてリニューアルされた水産技術研究所の伊豆分場長に移動。
まず稲取から取り寄せたキンメダイ弁当をいただきます。
伊豆のB級グルメで有名なったイカメンチもついていました。

食後にテレビ局の取材があり、生徒にインタビュー。
キンメ漁の話しを聞いた感想や、将来どんな漁業に就きたいかなどを聞かれました。


それから研究所職員の話を聞き、展示室を見学しました。


47期生でキンメダイの底建て漁船に就職した生徒は趣味がマリンレジャー。
出身は千葉県でしたが、下田に住みたくてキンメ船に乗りました。
そんな生き方も楽しいですね。

Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
10月のAO入試をお考えの方は、なるべく早く見学をしてください!
詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.ryoushi.jp/regional/22/post_192.html
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/r1-opencampus.html

 園長のつぶやき
静岡県では沖合漁業が激減です。
沖合漁業は2から30日の操業をします。
かつては近海カツオ漁船やサバ棒受網漁船がたくさんありました。
いまでは数隻という状況。
学園ができた当時は、沖合カツオの水揚げ基地である御前崎からたくさん生徒が来ていました。
入学前に就職する船が決まっていたそうです。
キンメダイの底建てはえ縄漁船も減っていはいますが、がんばっています。

さて、なぜ沖合漁船が減ったかと言うと、一番の理由は魚が減ったからです。
実は下田市場もかつてはサバが大量に水揚げされていました。
サバが減るのに対応してキンメダイにシフトしたと言えるかもしれません。
そのキンメダイも全国的な人気魚種になったことで資源が減っています。

ところで、魚をとる数が減ると、漁師の収入が減ります。
・・・とは、必ずしも言えません。
キンメダイの場合、人気魚種になったことで価格が高騰。
そうなると、水揚げ量は減っても、水揚げ金額は減らないことがあります。
しかし、長い目で見れば魚が取れなくなるのは決して良いことではありません。

魚は漁師だけのものではありません。
人類全体の財産です。
これからも貴重な食料として利用しなくてはなりません。

・・・長くなるので、次回に続きます。

コメント
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