日本語は、うそ英語の後です(苦笑)。
Toshihiko Shibuya solo exhibition
installation "White Collection" "Generation"
2013 Aungst 7 (Wednesday) - 20 (Tuesday) closed on Tuesday
from 11am to 7pm
at Gallery Monma annex (Asahigaoka 2 chome,Chuo-ku,Sapporo-city,JAPAN)
Toshihiko Shibuya is an artist lived in Sapporo,and his works are exhibited at several places in Japan and foreign countries, some web sites of UK,Hong Kong,Korea,and so on, introduce his works.
His works "Snow Pallet" are set on snow field. He considers on conection between his installations and scenary of northern place in Japan,Hokkaido.
(English site)
http://www.shift.jp.org/en/archives/2012/12/toshihiko_shibuya_snow_pallet_3.html
「創作」という語からもわかるように、芸術家の作品というのは「手を動かしてつくるもの」という考えが広くいきわたっている。この固定観念をひっくり返す大きな転機になったのは、言うまでもなくマルセル・デュシャンの「泉」で、それ以降、木の棒をどこかから買ってきて画廊に置いても、有名人の肖像写真をシルクスクリーンで増殖させても、芸術家本人や周囲が「これは作品なんだ」と言えば、作品ということになった。現代美術というのは、そこでいかに手をかけたか、が勝負どころではなく、アイデアこそが大事なキモであり、見どころなのだが、なかなか日本人には分かってもらえないのだ。
さて、澁谷俊彦さんから案内をいただいたとき、反射光による色彩という要素以外は、近作の「Snow Pallet」シリーズとあまりに見た目が異なるので、いま述べたようなデュシャン的な観点からまったく新しいシリーズに取り組み始めたのではあるまいかと考えたが、ご本人に聞くとそうではないらしい。「Snow Pallet」シリーズは北海道の雪原を活用した作品なので、冬が始まるころになると、海外サイトから情報の引き合いが続くのだが、それ以外にも「夏場にもないか。あったら、他のサイトよりも早く教えてほしい」という依頼がひきもきらないので、「それなら」と、昨年秋から浜辺などを歩いてさまざまなものを拾い集めたのが発端という。
次の画像は、タコノマクラ。
ウニの一種である。
このほかにも、オクラ、タンポポ、あじさい(これは脱色した)、ヒトデ、ドロノキの種子、繭、エゾリスの頭骨など、計29個が、窓際のスペースや、床の上にランダムに並べられた直方体のてっぺんに、据え付けられている。
(この直方体は、かつてのインスタレーションのシリーズで用いられた黒い木の柱に似ているが、その再利用ではないとのこと)
もっぱら白いものを蒐集したが、中には白く着彩したものもある。「Snow Pallet」シリーズと同様、赤や青は、そのものに色をつけたのではなく、反射光によるもの。今回の作品では、透明な立方体ケースのふたの裏に、蛍光塗料が塗られているのだ。
蛍光塗料が簡単にわかってしまわないよう、それぞれの作品は、一般的な人の身長よりも低めに設置されている。
種明かしをすれば、蛍光塗料は限られた色数しか販売されていないため、複数の色を塗っているものもある。たとえば、青とレモン色を、まるでジョーゼフ・アルバースの作品のように四角く塗り分ければ、鮮やかな黄緑が、下の白いものに反射して見えるのである。二つの色が見えるのではない。これは、なかなか不思議だと感じた。そんな工夫もあって、色もピンクやオレンジ、黄色、紫など、さまざまである。
これで、ヒトデにも、その下に敷き詰められた白い砂にも、いっさい着色されていないというのだから、ふしぎというほかはない。
今回は、雪原ではないが、真っ白い床や天井を有し、しかもうまいぐあいに自然光が入る会場が必要だった。とくれば、札幌圏ではここ、ギャラリー門馬アネックス以外にはありえない。
その意味では、今回の個展も、非常にサイトスペシフィックなものといえないこともない。
サイトスペシフィックついでで、もうひとつ。
今回の個展は、屋外に「ジェネレーション」というインスタレーションも展開しているのだ。
これは「世代」ではなく、「起源」「発生」くらいの意味らしい。
ギャラリー門馬アネックスの奥には、崖に突き出たテラスがあり、そのかたわらに、すでに生命のない木が1本かろうじて立っている。
上の画像は、その木の幹に、薄く青っぽく着彩した画びょうを取り付けたもの。
生命の誕生のように、きらきらして見える(これが赤い着彩だったら、イクラですね)。
ただし、蛾は本物の生きているものが、たまたまそこに止まっていた。
よく見ると、この透明な小さな球は、庭のあちこちにちりばめられている。
中央区とは思えないほど自然が残されている一角に仕掛けられた作者の遊び心だ。
しかし、こうした作家の介入により、わたしたちはあらためて、新しい目で自然を見ることができるのだろうと思う。
澁谷俊彦氏の真骨頂は、北の自然を、題詠的・叙情的な上っ面でとらえるのではなく、深いところで自然と響きあうところにあるのだから。
2013年8月7日~20日(火)午前11時~午後7時、火曜休み
ギャラリー門馬アネックス (中央区旭ケ丘2)
□ http://toshihikoshibuya.com
□ http://blog.toshihikoshibuya.com/
関連記事へのリンク
【告知】SNOW PALLET III and 4 : Toshihiko Shibuya installation(~2013年2月17日・千歳/~3月雪解け・札幌)
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【告知】奔別アートプロジェクト
(2012年)
■JRタワー・アートプラネッツ2012 楽しい現代美術入門 アルタイルの庭(2012年)
■澁谷俊彦「風の森II」Forest of wind 2012-II(執筆中)
【告知】澁谷俊彦「風の森 II」 Forest of wind 2012-II
■澁谷俊彦 SNOW PALLET 2、札幌芸術の森美術館で2012年4月14日から撤収(13日に一部撤収)
Toshihiko Shibuya's works are on the overseas website (2012)
■「ハルカヤマシロシメジ繁殖計画」 ハルカヤマ藝術要塞
■澁谷俊彦 茶室DEアート (2011)
【予告】澁谷俊彦展 -トノサマガエルの雨宿り (2011年5月)
■Snow Scape Moere 6 澁谷俊彦「SNOW PALLET」(2011年2月)
■PLUS ONE THIS PLACE(2010年9月)
■PLUS 1 +柴橋伴夫企画 空間の触知へ-連鎖の試み 藤本和彦 澁谷俊彦(2009年8月)
■澁谷俊彦展-森の雫09- 茶室DEアート (2009年7月)
■澁谷俊彦個展-青い雫09-
■澁谷俊彦展 森の雫(2008年3月)
■つづき
~2007年以前は、上のリンクからたどってください
・地下鉄東西線「円山公園」駅バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「循環10 ロープウェイ線」に乗り「旭丘高校前」降車、約130メートル、徒歩2分
・「円山公園」駅バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「円13 旭山公園線」に乗り「界川さかいがわ」降車、約500メートル、徒歩7分
・「円山公園」駅バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「桑11 桑園円山線」「円11 西25丁目線」「循環11 ロープウェイ線」に乗り、「啓明ターミナル」降車、約800メートル、徒歩10分
・地下鉄南北線「中島公園」「幌平橋」から、ジェイアール北海道バス「循環13 山鼻環状線」に乗り「旭丘高校前」もしくは「南11西23」降車
Toshihiko Shibuya solo exhibition
installation "White Collection" "Generation"
2013 Aungst 7 (Wednesday) - 20 (Tuesday) closed on Tuesday
from 11am to 7pm
at Gallery Monma annex (Asahigaoka 2 chome,Chuo-ku,Sapporo-city,JAPAN)
Toshihiko Shibuya is an artist lived in Sapporo,and his works are exhibited at several places in Japan and foreign countries, some web sites of UK,Hong Kong,Korea,and so on, introduce his works.
His works "Snow Pallet" are set on snow field. He considers on conection between his installations and scenary of northern place in Japan,Hokkaido.
(English site)
http://www.shift.jp.org/en/archives/2012/12/toshihiko_shibuya_snow_pallet_3.html
「創作」という語からもわかるように、芸術家の作品というのは「手を動かしてつくるもの」という考えが広くいきわたっている。この固定観念をひっくり返す大きな転機になったのは、言うまでもなくマルセル・デュシャンの「泉」で、それ以降、木の棒をどこかから買ってきて画廊に置いても、有名人の肖像写真をシルクスクリーンで増殖させても、芸術家本人や周囲が「これは作品なんだ」と言えば、作品ということになった。現代美術というのは、そこでいかに手をかけたか、が勝負どころではなく、アイデアこそが大事なキモであり、見どころなのだが、なかなか日本人には分かってもらえないのだ。
さて、澁谷俊彦さんから案内をいただいたとき、反射光による色彩という要素以外は、近作の「Snow Pallet」シリーズとあまりに見た目が異なるので、いま述べたようなデュシャン的な観点からまったく新しいシリーズに取り組み始めたのではあるまいかと考えたが、ご本人に聞くとそうではないらしい。「Snow Pallet」シリーズは北海道の雪原を活用した作品なので、冬が始まるころになると、海外サイトから情報の引き合いが続くのだが、それ以外にも「夏場にもないか。あったら、他のサイトよりも早く教えてほしい」という依頼がひきもきらないので、「それなら」と、昨年秋から浜辺などを歩いてさまざまなものを拾い集めたのが発端という。
次の画像は、タコノマクラ。
ウニの一種である。
このほかにも、オクラ、タンポポ、あじさい(これは脱色した)、ヒトデ、ドロノキの種子、繭、エゾリスの頭骨など、計29個が、窓際のスペースや、床の上にランダムに並べられた直方体のてっぺんに、据え付けられている。
(この直方体は、かつてのインスタレーションのシリーズで用いられた黒い木の柱に似ているが、その再利用ではないとのこと)
もっぱら白いものを蒐集したが、中には白く着彩したものもある。「Snow Pallet」シリーズと同様、赤や青は、そのものに色をつけたのではなく、反射光によるもの。今回の作品では、透明な立方体ケースのふたの裏に、蛍光塗料が塗られているのだ。
蛍光塗料が簡単にわかってしまわないよう、それぞれの作品は、一般的な人の身長よりも低めに設置されている。
種明かしをすれば、蛍光塗料は限られた色数しか販売されていないため、複数の色を塗っているものもある。たとえば、青とレモン色を、まるでジョーゼフ・アルバースの作品のように四角く塗り分ければ、鮮やかな黄緑が、下の白いものに反射して見えるのである。二つの色が見えるのではない。これは、なかなか不思議だと感じた。そんな工夫もあって、色もピンクやオレンジ、黄色、紫など、さまざまである。
これで、ヒトデにも、その下に敷き詰められた白い砂にも、いっさい着色されていないというのだから、ふしぎというほかはない。
今回は、雪原ではないが、真っ白い床や天井を有し、しかもうまいぐあいに自然光が入る会場が必要だった。とくれば、札幌圏ではここ、ギャラリー門馬アネックス以外にはありえない。
その意味では、今回の個展も、非常にサイトスペシフィックなものといえないこともない。
サイトスペシフィックついでで、もうひとつ。
今回の個展は、屋外に「ジェネレーション」というインスタレーションも展開しているのだ。
これは「世代」ではなく、「起源」「発生」くらいの意味らしい。
ギャラリー門馬アネックスの奥には、崖に突き出たテラスがあり、そのかたわらに、すでに生命のない木が1本かろうじて立っている。
上の画像は、その木の幹に、薄く青っぽく着彩した画びょうを取り付けたもの。
生命の誕生のように、きらきらして見える(これが赤い着彩だったら、イクラですね)。
ただし、蛾は本物の生きているものが、たまたまそこに止まっていた。
よく見ると、この透明な小さな球は、庭のあちこちにちりばめられている。
中央区とは思えないほど自然が残されている一角に仕掛けられた作者の遊び心だ。
しかし、こうした作家の介入により、わたしたちはあらためて、新しい目で自然を見ることができるのだろうと思う。
澁谷俊彦氏の真骨頂は、北の自然を、題詠的・叙情的な上っ面でとらえるのではなく、深いところで自然と響きあうところにあるのだから。
2013年8月7日~20日(火)午前11時~午後7時、火曜休み
ギャラリー門馬アネックス (中央区旭ケ丘2)
□ http://toshihikoshibuya.com
□ http://blog.toshihikoshibuya.com/
関連記事へのリンク
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(2012年)
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■つづき
~2007年以前は、上のリンクからたどってください
・地下鉄東西線「円山公園」駅バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「循環10 ロープウェイ線」に乗り「旭丘高校前」降車、約130メートル、徒歩2分
・「円山公園」駅バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「円13 旭山公園線」に乗り「界川さかいがわ」降車、約500メートル、徒歩7分
・「円山公園」駅バスターミナルから、ジェイアール北海道バス「桑11 桑園円山線」「円11 西25丁目線」「循環11 ロープウェイ線」に乗り、「啓明ターミナル」降車、約800メートル、徒歩10分
・地下鉄南北線「中島公園」「幌平橋」から、ジェイアール北海道バス「循環13 山鼻環状線」に乗り「旭丘高校前」もしくは「南11西23」降車