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■佐藤菜摘個展「ゆめのなかの手紙」 (2013年10月29日~11月10日、札幌)

2013年11月10日 13時41分20秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 
 昨年の「道展 U21」で大賞、ことしの道展では佳作賞と、すごい勢いの佐藤菜摘さんの個展に行ってきました。
 佐藤さんは秋田県出身。高校在学中に国展に入賞しています。その後、道教大に進学。90年代生まれの若手です。
 (もっともご本人は団体公募展にそれほど興味があるわけではなく、先生や先輩が出しているので出品したとのこと。ただし、公募展の中では、国展はかなり難しいほうです)

 冒頭の画像は「手紙」。 
 まだらに見えるのは、会場(トオンカフェ)の照明のためなので、ご諒承ください(っていうか、機会があったら本物を見に行こう)。

 目を引くのが、中央に描かれている、得体の知れない生き物です。
 一反もめんか、マシュマロマンか、といった感じですが、ご本人によると、実際の生き物というよりは、脳の中に生まれてくる思念体みたいなものだそうです。

 なので、キャラクターというよりは、ひとつひとつ形が違います。

(話はそれますが、キャラクターという手段は、作風を認知させるには良いけれど、作品がマンネリに陥りやすくなる危険性がありますよね)



 今回の個展でも道展の「さがしもの」でも共通して感じたのは、中央に描かれたなぞの生き物よりも、その周辺の空間づくりの緻密さです。装飾過多にならないよう縞模様やドットを描いたり、コラージュを用いたり(といっても、英字新聞を貼っていかにもコラージュですよ、というのとは違う)、マティエールを工夫したり、手描き文字を導入したり、広い画面を、かきこみすぎることなく「もたせる」ための工夫は、かなりのものです。これは天性のものなんでしょうね(なぞの生き物を「描かさる(北海道弁)」のとおなじように)。
 あるいはこの空間感は、かつて20歳すぎで道展会友になり、その後東京に転居し絵本などで活躍中の松田奈那子さん(道展は退会)とも共通しているかもしれないなどと、ふと思いました。
 いずれにしても、今後の活躍に期待、です。


2013年10月29日(火)~11月10日(日)午前10時30分~午後10時(土日~午後8時)
TO OV cafe(札幌市中央区南9西3 マジソンハイツ) 



・地下鉄南北線「中島公園」から約180メートル、徒歩3分
・地下鉄東豊線「豊水すすきの」から約620メートル、徒歩8分

・中央バス「中島公園入口」から約380メートル、徒歩5分
※ギャラリー創からだと徒歩7分ぐらいです

参考リンク
□北海道を彩るアーティスト http://saruuni.blog96.fc2.com/blog-entry-213.html


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