丸ペンやサインペンによる独自の描法でイマジネーションあふれる世界を描き出す札幌の若手、佐藤香織さんによる、この1年間で3度目となる個展です。
前回の会場のカフェエスキスでは展示できなかった大作もならびました。新作は小品2、3点でしたが、非常に見ごたえのある展覧会だったと思います(なにせ、制作に時間がかかるので、とくに大作はそうそう新作を発表できない)。
筆者としても、初めて作者にお会いしてこのブログで作品画像を紹介できることを、とてもうれしく思います。
札幌圏の方で、今回の画像を見て
「よし、次回の個展には行ってみよう」
と思わない人はあまりいないのではないでしょうか?
どの作品もみごとなのですが、ここでは、最も大きな作品のひとつ「お茶の時間」(05-06年)を紹介します。
幅は2メートル近くありそう(尋ねるのをわすれた)。いっさい線をつかわず、おびただしい点だけで表現しているのですから、驚きです。
もっとも、作者は「油絵の具なんかとちがって、におわないし、あとかたづけが楽だし、いい画材ですよー」と言うのですが…。
左上、女の子がいるあたりの拡大図。
この少女はよく登場します。
題はこのシーンからきているのですね。
その下の拡大図。
ここまで大きくすると、点描というのがわかると思います。
このニョロニョロみたいなのも、よく登場します。
ニョロニョロくんがいる部屋が、屋外より明るく、光が外に漏れてくる様子なども、余さず表現されています。
こういう明暗の感覚は、ほんとうに鋭いです。
右下のティーポット(やかん?)の部分。
植物の表現が独創的です。
右上。
夜空にもいろんな記号がうかんでいます。
「お茶の時間」とならぶ大作「ハイウェイ」。
想像上の大小の生き物のほか、空には、佐藤さんが好きだというトンボがたくさん飛び交っています。
乗り物の窓から外を見ているのがすき-という作者の心が反映した作品です。
「ドルイド」。
なんと高校生のときの作品。足かけ2年を費やし完成させています。
「いまとは作風も違うし、いまでは絶対できない作品です」
近作の一部分です。
「身近なところから描いているんですよ」
と佐藤さんが言うので
「えー!? 土星とか、こんな生き物が身近なんですか?」
と聞き返してしまいました。
日常のありふれた風景から出発してふしぎな植物や光景を想像できるのは、彼女の稀有な能力だと思いました。
08年7月19日(土)-27日(日)
ウイングベイ小樽1番街2階海側イベントスペース(小樽市築港)
■佐藤香織点描画展(08年4月、画像なし)
■佐藤香織個展(06年、画像なし)
札幌市でもやってくれないかなー。
ホント札幌で是非みたいですネ。
>エゾ三毛猫さま、anonoさま
コメントありがとうございます。
佐藤さんは、これまでも時計台ギャラリー、丘珠空港、カフェエスキスで個展を開いており、また見る機会があると思いますよ。