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2013年のベスト展覧会を選定する前に。(追記あり)

2013年12月25日 01時23分45秒 | つれづれ日録
 今年もいよいよ大詰めだ。
 年末といえば、「今年のベスト5」などを選出する時期だ。

 筆者は7月末まで札幌を離れていたし、選出はことしもムリだと思う。
 しかも12月はほとんどギャラリーまわりをしていない。
 会う人たちからは
「札幌に帰ってきて良かったですね」
とよく言われるのだが、ときどき、ほんとうに良かったのかと考えることすらある。
 こんなに美術展を見る時間が無いとは思っていなかった(ないだろうとはうすうす思っていたが、ほんとに無かった)。

 それと、こんなエントリを書く前に、ハルカヤマ藝術要塞や、奔別アートプロジェクトの記事をアップしなくてはいけないのだが…。



 というわけで、とうてい自分のベストなど選べないので、読者のみなさんにコメント欄で「ベスト5」を選んでいただきたいのだが、それでもあえて蛇足を加えるとすれば、やはり、小規模美術館の地味だが、着実な企画群に、心をひかれるものがあった。
 筆者は新年、「ことしのベスト3は、見る前から決まっている。木田金次郎の『第1回個展の頃』、神田日勝記念の『室内風景』、小樽の瀧口修造だ」という意味のことを書いた。木田金にはとうとう足を運べなかったのだが、この評価は今も変える必要がないと思っている。


 すでに新聞各紙などでは、評論家らが1年を振り返り、ベスト3やベスト5を選んでいる。
 それらをあまりまじめに読む気にならないのは、どうせ北海道の展覧会や作品が選ばれているはずがないという諦念ゆえである。
 それが、筆者がよく言う一種のオリエンタリズムや距離のなせるわざなのか、それとも展覧会そのものに魅力が乏しいうえにアウトリーチの努力が決定的に足りないゆえなのか、ここでは理由を断言することはしない。

 いずれにせよ、2013年に至ってもなお、北海道の美術は、全国や世界へどのように架橋すればいいのか、模索中なのであろう。


 ことし1年間を振り返り、北海道美術を見渡しての時評的な批評は、また稿を改めて書きたい。


(※追記。個人的に、「作品をひとつ挙げよ」ということであれば、北海道地域連動アートプロジェクト [すすきのアートプロジェクト 交感と交換」で見た、百瀬文「聞こえない木下さんに聞いたいくつかのこと」に尽きる。それほど衝撃的だった。もちろん、「ガツンとくる」のだけが、美術作品の良さではなく、「じわっとくる」「さらりと好感」というのもあるわけだが、これほど「ガツンときた」現代美術の作品に接したのは、久しくなかった経験だった) 


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2 コメント

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展覧会ベスト5 (SH)
2013-12-29 10:20:12
ヤナイさん、こんにちは。
私の今年の展覧会ベスト5です。

東京藝術大学美術館「国宝 興福寺仏頭展」
東京都美術館「福田美蘭展」
千葉市美術館「房総の美しき仏たち 仏像半島」
北海道大学総合博物館「フカシギの数え方」
大倉集古館「大倉コレクションの精華1-中世・近世の絵画-」

東京ばっかりになってしまっていますが、仏像好きなのと、期待感満々で行くせいもあるので、しょうがないですね。
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SHさん、こんにちは (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2013-12-29 14:51:00
ありがとうございます。
SHさんのコメントがなければ、盛り上がりゼロのエントリになってしまうところでした。

しかし、わたしはこのベスト5をひとつも見ていないので、話のとっかかりがないですね…。

2014年もあまりたくさんは見られそうになく、なんだかさびしい年の瀬です。
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