以下の3部構成です。
それほど長文ではありません。
冒頭画像は釧路駅。帯広市街地のいいあんばいの画像が見当たらなかったのはすみません。
1) 道内5位より道東2位の衝撃
2) 実質的にはすでに逆転
3) 逆転の背景
昨年末現在、住民基本台帳による人口が、帯広市が16万5670人で、釧路市を3人上回り道内で第5位になったと、1月12日のテレビニュースや新聞の夕刊で伝えられました。
1位札幌、2位旭川、3位函館―の順はこの半世紀以上変わっていません。
釧路は長く4位でしたが、2018年に苫小牧に追い抜かれて5位になっていました。
おそらく、道内の順位よりも「道東ナンバー1」の座が変わったことによる衝撃のほうが大きいと思います。
北海道の方はご存じでしょうが、道内は大きく四つの地域に分かれます。
・道南…渡島、檜山
・道央…石狩、後志、空知、胆振、日高
・道北…上川、留萌、宗谷
・道東…オホーツク、十勝、釧路、根室
紋別地方は道北なのか道東なのかとか、北空知は道北に近いんじゃないかとか、細かい議論はここでは省略します。
道南は函館、道央は札幌、道北は旭川が、それぞれの中心都市です。
それと同様に、道東の中心は釧路であると、自他ともに認めてきました。
地方気象台や地方裁判所といった官公庁の出先機関や、JR北海道など民間企業の支社などは、大半が釧路に置かれています。
人口が逆転したからといって、これら一切が帯広に移転するということにはならないでしょう。
もし、道東支社を帯広に移したら、根室地方への出張が不便になりすぎるからです。
とはいえ、この逆転劇が釧路市民に与える心理的なダメージは大きいのではないかと思います。
ただ、周辺の町村を含めて考えると、帯広圏のほうが釧路圏をとっくに上回っているといえそうです。
釧路市の通勤圏には
釧路町 19,392人(12月末現在)
白糠町 7,551人(10月末現在)
があります。
標茶町、厚岸町も「隣町」ですが、日常的に行き来するにはちょっと遠いです。
一方、帯広市の近くには
音更町 44,045人
幕別町 26,443人
芽室町 18,326人
があります(いずれも12月末現在)。
幕別町には忠類地区という、帯広からかなり離れた地区もありますが、その数千人を差し引いても、帯広の周辺町の人口が多いことは一目瞭然でしょう。
音更町なんて、帯広の中心部から十勝川を渡ればすぐで、札幌でいうとギャラリー犬養が別の町村みたいな感覚です。帯広に近い木野地区の国道沿いには「ない店はないんじゃないか」と思えるほど、大型のロードサイドショップがびっしりと立ち並んでいます。
音更町の人口は道内の町村で最も多く、同町の人口を上回る市のほうが、下回る市よりも少ないありさまです。
新聞などで解説されている、人口逆転の背景としては
・十勝農業の安定
・釧路の基幹産業(石炭、漁業、製紙)の衰退
・帯広は札幌への距離が近い
が挙げられています。
その通りなのですが、私見では、隠れた理由として、気象条件があると思います。
釧路は天気が悪いんですよ。
近年は昔ほどではないようですが、春から夏にかけては霧や曇りのじめじめした日が続きます。暑くて好天の夏らしい日は、ほとんどありません。
9~11月は秋晴れが多くて最高なんですが。
帯広は「十勝晴れ」ということばがあるぐらいで、春や夏に太平洋岸のようなさえない空模様は見られません。
冬は釧路も帯広も寒いです(笑)。
この理屈でいうと、春夏の天気が悪い苫小牧の興隆の説明がつきませんが…。
ただし
「酷暑はこりごり」
「花粉症から逃げ出したい」
ということを最重視する人にとっては、釧路は日本に残された最後の天国のようなところなので、今後はこういう移住者を取り込んでいくことが必要ではないでしょうか。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/500208
帯広市の人口が釧路市を上回る 道内5位に【HTB北海道ニュース】
過去の関連記事へのリンク(もっぱら、釧路がさびれているという話ばかりで、すみません)
Kushiro City
釧路駅北口
釧路駅北口・続き
釧路駅北口・続々
■北大通を歩く 釧路再訪・7
まるで松本竣介の絵のような、人の気配がない街-釧路への旅(11)
それほど長文ではありません。
冒頭画像は釧路駅。帯広市街地のいいあんばいの画像が見当たらなかったのはすみません。
1) 道内5位より道東2位の衝撃
2) 実質的にはすでに逆転
3) 逆転の背景
1) 道内5位より道東2位の衝撃
昨年末現在、住民基本台帳による人口が、帯広市が16万5670人で、釧路市を3人上回り道内で第5位になったと、1月12日のテレビニュースや新聞の夕刊で伝えられました。
1位札幌、2位旭川、3位函館―の順はこの半世紀以上変わっていません。
釧路は長く4位でしたが、2018年に苫小牧に追い抜かれて5位になっていました。
おそらく、道内の順位よりも「道東ナンバー1」の座が変わったことによる衝撃のほうが大きいと思います。
北海道の方はご存じでしょうが、道内は大きく四つの地域に分かれます。
・道南…渡島、檜山
・道央…石狩、後志、空知、胆振、日高
・道北…上川、留萌、宗谷
・道東…オホーツク、十勝、釧路、根室
紋別地方は道北なのか道東なのかとか、北空知は道北に近いんじゃないかとか、細かい議論はここでは省略します。
道南は函館、道央は札幌、道北は旭川が、それぞれの中心都市です。
それと同様に、道東の中心は釧路であると、自他ともに認めてきました。
地方気象台や地方裁判所といった官公庁の出先機関や、JR北海道など民間企業の支社などは、大半が釧路に置かれています。
人口が逆転したからといって、これら一切が帯広に移転するということにはならないでしょう。
もし、道東支社を帯広に移したら、根室地方への出張が不便になりすぎるからです。
とはいえ、この逆転劇が釧路市民に与える心理的なダメージは大きいのではないかと思います。
2) 実質的にはすでに逆転
ただ、周辺の町村を含めて考えると、帯広圏のほうが釧路圏をとっくに上回っているといえそうです。
釧路市の通勤圏には
釧路町 19,392人(12月末現在)
白糠町 7,551人(10月末現在)
があります。
標茶町、厚岸町も「隣町」ですが、日常的に行き来するにはちょっと遠いです。
一方、帯広市の近くには
音更町 44,045人
幕別町 26,443人
芽室町 18,326人
があります(いずれも12月末現在)。
幕別町には忠類地区という、帯広からかなり離れた地区もありますが、その数千人を差し引いても、帯広の周辺町の人口が多いことは一目瞭然でしょう。
音更町なんて、帯広の中心部から十勝川を渡ればすぐで、札幌でいうとギャラリー犬養が別の町村みたいな感覚です。帯広に近い木野地区の国道沿いには「ない店はないんじゃないか」と思えるほど、大型のロードサイドショップがびっしりと立ち並んでいます。
音更町の人口は道内の町村で最も多く、同町の人口を上回る市のほうが、下回る市よりも少ないありさまです。
3) 逆転の背景
新聞などで解説されている、人口逆転の背景としては
・十勝農業の安定
・釧路の基幹産業(石炭、漁業、製紙)の衰退
・帯広は札幌への距離が近い
が挙げられています。
その通りなのですが、私見では、隠れた理由として、気象条件があると思います。
釧路は天気が悪いんですよ。
近年は昔ほどではないようですが、春から夏にかけては霧や曇りのじめじめした日が続きます。暑くて好天の夏らしい日は、ほとんどありません。
9~11月は秋晴れが多くて最高なんですが。
帯広は「十勝晴れ」ということばがあるぐらいで、春や夏に太平洋岸のようなさえない空模様は見られません。
冬は釧路も帯広も寒いです(笑)。
この理屈でいうと、春夏の天気が悪い苫小牧の興隆の説明がつきませんが…。
ただし
「酷暑はこりごり」
「花粉症から逃げ出したい」
ということを最重視する人にとっては、釧路は日本に残された最後の天国のようなところなので、今後はこういう移住者を取り込んでいくことが必要ではないでしょうか。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/500208
帯広市の人口が釧路市を上回る 道内5位に【HTB北海道ニュース】
過去の関連記事へのリンク(もっぱら、釧路がさびれているという話ばかりで、すみません)
Kushiro City
釧路駅北口
釧路駅北口・続き
釧路駅北口・続々
■北大通を歩く 釧路再訪・7
まるで松本竣介の絵のような、人の気配がない街-釧路への旅(11)