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■【写真家たちの新しい物語】山形豪写真展「Go Wild!」~南部アフリカ 動物たちの最驚楽園(サイキョーラクエン)~2017年3月31日~4月5日、札幌

2017年04月05日 07時04分00秒 | 展覧会の紹介-写真
 アフリカの動物たちというと、東部のサバンナでライオンやキリンを追った「ジャングル大帝」的なイメージが想起されますが、ナミビアやザンビアといった南部もなかなかです。
 もちろんライオン、キリンもいますが、クロサイ、インパラ、ハイエナから、極彩色の鳥まで、バラエティーに富んでいます。

 バラエティーといえば、今回の写真展の構成にもいえます。
 「エランドの残骸をハゲワシから奪ったブチハイエナ」というような、生存競争の厳しさを強く印象付ける作品のある一方で、「木の上でくつろぐメスのヒョウ」といった、見る人をホッとさせる作品もあります。
 動物の表情にぐっと迫った写真があり、非常に引いた位置から撮った写真もあります。
 さらに、動物の群れが画面を埋め尽くす写真があるかと思えば、お花畑や、夜空の銀河をとらえた作品のように、動物がうつっていないショットが、間奏曲のように時折交じります。
 個々のプリントも良いのですが、大小のプリントをおりまぜたリズミカルかつダイナミックな構成は、見ていて心地よいものでした。

 これは重要なことだと思うし、アマチュアの方はぜひ学んでほしい。というのは、最近もいくつか写真展を見る機会があったのですが、自分の好きな被写体をひたすらアップで撮っているだけの人がいるんですよね。見る人のことを考えていないと、いわざるを得ません。
 プリントが良くて、大きく引き伸ばせば、被写体が小さくてもかまわないわけで、むしろそういう写真もないと、展示としては単調になってしまいます。変化にとんだセレクトは、写真展を大きく左右すると思います。

 今回の個展についてもうひとつ挙げるとすれば、いつもは撮影禁止の富士フイルムフォトサロンですが、今回は撮影可で「SNS、ブログで、知り合いに伝えてください」というスタンスでした。
 さっそく写真つきでツイッターで紹介したところ、ただちに作者本人からリツイートされたのが驚きでした。
 急速に普及しているSNS ですが、告知の手段として、写真家も無視できなくなっているということかもしれません。いまのところは、会場撮影禁止の写真展が多いですが、今後は、撮影可の会場が増えていくのかも…と思いました。 


 山形さんは1974年、群馬県生まれ。幼少時、アフリカのブルキナファソやトーゴで過ごしたそうです。


2017年3月31日(金)~4月5日(水)午前10時~午後7時
富士フイルムフォトサロン札幌(中央区大通西6)

□Go Yamagata http://www.goyamagata.com/





 なお、CINRA に2013年のインタビューが載っていましたが、今回の個展とは別に、非常に考えさせられる内容でした。


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