北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

■SPACE & WAVE4人展 時の記憶 (2017年8月22日~10月21日、札幌)

2017年10月21日 02時02分22秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 絵画の伊藤光悦(二紀会委員、道展会員)、彫刻の伊藤幸子(道展会員)、版画の内藤克人(国展会員、道展会員、版画展準会員)、絵画の濱中正博(モダンアート協会会員)の4氏によるグループ展。
 伊藤幸子さんと濱中さんは札幌在住、のこる2人は北広島在住です。

 建設会社のロビーを企画ギャラリーとしての展覧会第3弾です。第1弾が立体造形などの3人展、第2弾が人形の個展で、道内の作家ということ以外にはこれといった方向性は定まっていないように見受けられます。

 今回の4人展は、筆者の記憶に誤りがなければ、大半が既発表作のようです。

 伊藤光悦さん「蝦夷・神威」「神威岬遠望」
 いずれも空中写真のようなアングルの写実的な風景画。リアルな中にも幻想性や批評性をにじませるのがこの画家の持ち味ですが、今回の2作に限って言えば、ごくふつうの風景画に見えます。

 伊藤幸子さん「波の子」「対岸むこうまで I」「対岸むこうまで II」
 着彩した石膏で、女性と子ども各1人をセットにした人物像。海水浴をしている親子のように見えます。伊藤さんがこの作風に転じたのも、もう10年以上前になります。
 どちらか一方の人物の胴体が地面などですぱっと断ち切られているのが特徴で、そのため、これらの人物は、台座を有して周囲から孤立する従来の彫刻ではなく、周辺の環境に溶け込もうとしているように感じられます。

 内藤克人さん「街 路 舞」全6枚。
 先だって、ギャラリーレタラで発表したシリーズ。YOSAKOIソーランをテーマにした大作ですが、会場の都合上、6枚をばらして展示しているため、大作の効果が薄れています。

 濱中正博さん「事績の景」「事績の象 III」
 青系を主軸に、シャープな面と面を組み合わせた抽象画です。

 チラシには「K.N記」という署名で文章が添えられていますが、筆者のぼんやりした頭脳では、何が言いたいのかよくわかりませんでした。

 一見違った作風に見えるが共通項も見えてくる。そして作者が作品のイメージを作り上げる時、必要なのは記録ではなく記憶、その記憶を積み重ね、より分けていくことで感覚が深まり、さらに他と混じり合いながら大きな記憶の森に辿り着く。そこは多くのDNAが詰まった創造の森かも知れぬ。アートの価値は果てしなく大きい。



2017年8月22日(火)~10月21日(土)午前9時~午後5時、日曜休み
まるひこアートスペース和(札幌市豊平区豊平6の6 丸彦渡辺建設本社)




・地下鉄東豊線「学園前」駅2版出口をおりてすぐ
・中央バス「豊平3条8丁目」から約640メートル、徒歩8分

・地下鉄東西線「菊水」駅6番出口から約1.2キロ、徒歩16分
・地下鉄南北線「中島公園」駅から約1.4キロ、徒歩18分


関連記事へのリンク
伊藤光悦展 (2014)
第15回北海道二紀展 (2009)
伊藤光悦展 (2008)
伊藤光悦展(2006年)
伊藤光悦個展 (2002)


ハルカヤマ藝術要塞2017 FINAL CUT
帯広コンテンポラリーアート2016
首展(2015)
伊藤幸子彫刻展 (2010年)
New Point vol.7 (2010)
風の中の彫刻展 (2008)
風の中の展覧会 IV (2007)
New Point Vol.4 (2007、画像なし)
造形展・風の中の展覧会 (2006)
伊藤幸子彫刻展 (2004)
伊藤幸子・新保恭子2人展 (2003)


国画会版画部北海道支部展(2008)
企画展「07-08展」 (画像なし)
03 国画会版画部札幌展 (画像なし)
'03国画会版画部札幌展記念版画集展(画像なし)
内藤克人個展(2002、画像なし)
 =内藤さん出品


モダンアート協会北海道支部展 (2013)=濱中さん出品


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。