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一見、伝統工芸にはあまり縁がなさそうに思われる北海道にも、和のわざをしっかりと受け継ぎ、新たな要素を加えて奮闘努力している作り手がいます。
かつて三越札幌店に巡回していた伝統工芸新作展を継承し、2011年に始まったこの展覧会。今回は2年ぶりの開催となったようです。
道内からは、次の通り、17人が出品しています。
陶芸=大野耕太郎(滝川市)、尾形香三夫(岩見沢市)、菊地勝太郎(胆振管内洞爺湖町)、北川智浩(江別市)、白岩大佑(函館市)、千尋悠子(旭川市)、中村裕(札幌市)、西村和(札幌市)、三上慶耀(十勝管内鹿追町)
染織=塩澤啓成(恵庭市)、貝澤雪子(日高管内平取町)
木工芸=村木昭彦(札幌市)
人形=宍戸孝子(札幌市)、高井和枝(函館市)
諸工芸・七宝=新谷通(網走市)、長谷川房代(函館市)
諸工芸・ガラス=降籏ゆみ(江別市)
道外からは日本工芸会の理事など5人が賛助出品しました。道内勢が手薄な、竹工芸や金工の逸品が展示されています。
道内勢では、菊地さんの作品を久しぶりに見ました。穴窯によるダイナミックな景色が持ち味と思いますが、さすがに茶器はそういう要素を抑え、端正に仕上げています。
中村裕さんは花器に、流氷をモチーフにした文様を取り入れ、清新な北国の叙情を感じさせます。
一方、三上さんは日本工芸会で、初出品初入賞を果たした新鋭で、この展覧会にも初登場です。落ち着いた色合いの青が特徴的。
さて、この展覧会の恒例の企画に、出品者のコラボレーションがあります。
漆を塗り重ね、重厚な味わいながら軽量の器を作る西村和さんが音頭を取って、5枚組みの豆皿を5人で作りました。Aセットはいずれも陶芸家、Bセットは木やガラスの作家も入って異なる素材の皿が楽しめます。統一感を出すためいずれも直径は9センチの円形。
「10センチの箱に収まるように、とお願いしました」
と西村さん。
もうひとつのコラボーレションは、尾形さんの水指に降籏さんがふたを取り付けたもの。一般的に、ふたのあるやきものは難しいと思いますが(土が焼くことで収縮するため)、ぴったりはまっています。すごいなあ。
会場では、簡単なお茶席も用意され、出品作家の茶器で味わうことができます。
2018年11月13日(火)~19日(月)午前10時~午後7時(最終日午後4時)
三越9階ギャラリー(札幌市中央区南1西3)
関連記事へのリンク
■第5回伝統工芸北海道展―日本工芸会東日本支部北海道研究会の作家による (2016)
【予告】第3回伝統工芸北海道展 (2013)
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【告知】第1回伝統工芸北海道展 (2011)
■第47回伝統工芸新作展 (2007)
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人形=宍戸孝子(札幌市)、高井和枝(函館市)
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諸工芸・ガラス=降籏ゆみ(江別市)
道外からは日本工芸会の理事など5人が賛助出品しました。道内勢が手薄な、竹工芸や金工の逸品が展示されています。
道内勢では、菊地さんの作品を久しぶりに見ました。穴窯によるダイナミックな景色が持ち味と思いますが、さすがに茶器はそういう要素を抑え、端正に仕上げています。
中村裕さんは花器に、流氷をモチーフにした文様を取り入れ、清新な北国の叙情を感じさせます。
一方、三上さんは日本工芸会で、初出品初入賞を果たした新鋭で、この展覧会にも初登場です。落ち着いた色合いの青が特徴的。
さて、この展覧会の恒例の企画に、出品者のコラボレーションがあります。
漆を塗り重ね、重厚な味わいながら軽量の器を作る西村和さんが音頭を取って、5枚組みの豆皿を5人で作りました。Aセットはいずれも陶芸家、Bセットは木やガラスの作家も入って異なる素材の皿が楽しめます。統一感を出すためいずれも直径は9センチの円形。
「10センチの箱に収まるように、とお願いしました」
と西村さん。
もうひとつのコラボーレションは、尾形さんの水指に降籏さんがふたを取り付けたもの。一般的に、ふたのあるやきものは難しいと思いますが(土が焼くことで収縮するため)、ぴったりはまっています。すごいなあ。
会場では、簡単なお茶席も用意され、出品作家の茶器で味わうことができます。
2018年11月13日(火)~19日(月)午前10時~午後7時(最終日午後4時)
三越9階ギャラリー(札幌市中央区南1西3)
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