■千葉有造個展「Ice of the mountain」 （3月3日まで）

　
Chiba Yuzo ,a sculptor,makes his works by brass mainly.
Now,he has a solo exhibition,his recent work is made by white acrylic plates.
He says that he got an inspiration from Alpen's mountain covered with white snow and ice.
He also take paintings to this exhibiton.

　千葉さんの個展を見たのはじつに6年ぶりです。

　前回、2003年は、真ちゅうで作られた直方体に近いかたちの彫刻が、会場の中心に置かれていました。
　当時の作品は、今回も1点出品されています（「CUBE-symbol」）。
　「現代美術じゃなくて、あえて彫刻」
と言う作者に、意思の強さを感じたのを記憶しています。

　プロフィルを見ると、おなじ大学で学んでいた野上裕之さんとの2人展を2回ひらいているほか、CAI(現代芸術研究所）でグループ展を組織したり、さらにはドイツなど海外でも発表を行い、多彩な活動を展開していました。
　その後一時、創作から離れますが、現在は、テレビドラマのセットの制作などにも取り組んでいます。

　冒頭の画像にある立体が今回のメーン作品「Ice of mountain」です（床置き、つり下げ型、いずれも同題）。
　8ミリ厚の白いアクリル板を自ら直線的に切断し、さまざまに組み合わせて床の上に自立させています。
　8ミリというとかなりの厚さですが、これ以上作品サイズを大きくすると、たわむ危険性があるとのこと。

　千葉さんは、マッターホルンの山容から作品のヒントを得たということです。
　以前、現代的な雪像のコンクールに何度も出場し受賞した経歴もありますが、直接の関係はない－と話していました。


　　　　　　　　　　　


　大作の周囲の壁には、画像の「Ice of mountain　－20℃」をはじめ
「Ice of mountain　－10℃」
「Ice of mountain　－5℃」
「Ice of mountain　－2℃」
「Ice of mountain　－1℃」
の計5点がならんでいます。
　千葉さんが平面作品を発表するのはめずらしいです。
　白が基調で、わずかな明暗がほどこされた抽象作品。題にふさわしい作品だと思います。


　　　　　　　　　　　

　こちらは、以前から取り組んでいる真鍮（しんちゅう）の立体作品。
　「CUBE-prosperity」「CUBE-thunder」「CUBE-architecture」。
　小さな平面が何度も折れ曲がってつながっているような独特の形態は、アクリルの作品とさして変わりありません。
　端正にしてリズミカルというのか。ユニークな作品です。


　　　　　　　　　　　

　入り口附近にあったミクスドメディアのインスタレーションは「Rainy Frogs」「Leafs」。
　千葉さんがこれほどストレートでわかりやすい、一般の観覧者からも「かわいい！」と言われそうな作を出してくるとは。意外でした。

　このほか、写真での紹介となった「旅するVOLVO」もおもしろい作品。
　スウェーデンの自動車メーカー「ボルボ」のシートの一部を加工してトランクにしたもので、題名もそれに由来しています。ほんとうにトランクとして使用できるそうです。
　会場には、シートの残り部分が置かれていました。

　「個展はこのあとしばらくは、ないと思います」
と千葉さん。
　この機会を逃さずに！　


2009年2月7日（土）－21日（土）→3月3日(火)までに延長
13：00－23：00、日曜・祝日、2月24日休み
CAI02（中央区大通西5　昭和ビル地下2階　地図B)

□YUZO CHIBAサイト　http://www.yuzochiba.jp/

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