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■イマジネーション―日常の彼方に (2020年12月19日~21年3月21日、帯広)

2021年02月25日 07時56分49秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 道立美術館の所蔵品展は近年、テーマの理解しづらいことが時々ありますが、今回は明快。
 想像力を駆使した、幻想的な絵画や写真計12点が展示されています。

 個人的にうれしかったのは、森健二さんの「光年の導べ『心象』」(冒頭画像)が見られたこと。
 2012年作、112.0×145.0センチとあります。森さんは2013年歿なので、晩年の作品です。
 十勝管内清水町生まれ、札幌で活躍し、晩年は千葉県に住んでいました。

 森さんの作品は宇宙的なイマジネーションに満ちており、抽象画ですが、とても分かりやすいと思います。


 左は浅川茂「重い風景」(1988、162.5×183.0)。
 浅川さんは帯広在住。
 こちらは初期の、まだ浅川さんが全道展会員に推挙される前の作ではないでしょうか。

 そのとなりは出店久夫「地と母子像」(2010~11)。

 
 3枚目の右手は大浦一志「杉並区阿佐ヶ谷南3丁目21-13 ↔ 普賢岳(川は水を必要としていた)」(1994)。
 周辺の色帯の部分に、旧ソ連の映画監督アンドレイ・タルコフスキーについての言及がいくつもありました。

 奥に見えるのが小笠原洋子さん「漂う船」(2003)。
 小笠原さんは帯広の道展会員。
 巨大な石の船が宙に浮かぶ光景を描き続けています。

 ほかの出品作では、日本の木口木版を代表する版画家小林敬生さん「陽はまた昇る ―緑の星・08D」。
 膨大な数の動植物が描かれた、縦1メートル、左右2.575メートルの超大作で、生物相それ自体が目の前に展開しているようで、圧巻です。

 ほかは次の通り。

奥野稔和「96V-0505X」
小谷博貞「海霧」「シルバー・シャワー」
近藤みどり「慰する旅人 I」
松樹路人「コタン・クル・カムイの詩」
市成太煌「鴉の詩 3」


2020年12月19日(土)~21年3月21日(日)午前9時半~午後5時、月曜(1月11日を除く)、12月29日~1月3日、12日休み
道立帯広美術館(帯広市緑ケ丘2、緑ケ丘公園)

一般 260(210)円、高大生 150(110)円  ※( )内は10名以上の団体料金。
・中学生以下、65歳以上、高校の教育活動としての観覧、障害者手帳をお持ちの方、土曜日の高校生などは無料。


過去の関連記事へのリンク
画家・森健二さんのこと (2013)
郷土作家作品展 森健二展 壮年の十勝 (2008)
森健二「光年の導(しる)べ」 (2006)

浅川茂展「遠い日々の心象III 1996-2016」 (2016)
道東アートファイル2013 (画像なし)
浅川茂展「遠い日々の心象 II 1984-2013年」(2013)



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