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■シロツメグサ ―わたしをみて― (2016年4月19~24日、札幌)

2016年04月22日 01時01分01秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 
 道都大中島ゼミの谷口貴陽さんと北海学園大I部写真部の岩田美津希さんの2人展。

 一口で言って、かなり攻めている展覧会だと思う。岩田さんが写真を、谷口さんが絵(シルクスクリーンのモノタイプ)を出品しているのだが、題を含め、キャプションのたぐいは一切ない。額装された作品も皆無。

  谷口さんの抽象画が2点並んだり、岩田さんの大小のプリントが散らばって飾り付けられている壁面もあるが、複数の壁面では、2人の作品が混在している。
 もともと、岩田さんが個展を開くつもりで、谷口さんが相談を受けているうちに、2人展にしようということになったそうで、絵画は彼女の写真にインスパイアされたものだという。絵の具(インク)がほとばしっているような、熱い抽象ともいうべき作品が多く、ぱっと見にはアクリルか油彩に見える。

 一方、岩田さんは各種グループ展で、平面インスタレーションふうに複数のプリントを組み合わせ、青春のひりひりした痛々しい感情の発露を表現している。ロックンロールの初期衝動にも共通する疾走感ともいえる。近年の札幌の大学写真部界隈では、ひさしぶりに目を引く存在だと思う。
 これまではテキストやキャプションが効果をあげていたが、今回は全く付けられていない。
 女性同士のラブシーンや、下着姿の女性のポートレイト連作、セミヌードなど、なかなか刺戟的なショットが多いのは、これまで通り。文字はなくても、若さや熱さは伝わってくる。古い建物の中で撮った写真は、冬季休み中のギャラリー犬養を借りたそうだ。

 絵画と写真が一緒に出ているグループ展はめずらしくないが、今回のように、絵画と写真が渾然一体となっている展示というのは、ありそうで、あまりない。


2016年4月19日(火)~24日(日)午前11時~午後7時(初日午後3時~、最終日~午後5時)
ほくせんギャラリー ivory(札幌市中央区南2西2 NH HOKUSEN ブロックビル4階)




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