北海道美術ネット別館

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■EXHIBITION 10 BUDS (8月27日で終了)

2008年09月02日 21時51分36秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 石倉美萌菜、稲恒佳奈、大川孝、加藤綾子、清水恭平、中川杏美、林望、丸山直人、渡辺智之、齊藤和志の10氏による展覧会。
 石倉さんはCAI(現代芸術研究所)の「くだらない展覧会」に出品していましたが、あとの9人は記憶にありません。どういう集まりなのかぐらい、聞いてくればよかったです。おそらく若い人のグループだと思うのですが。絵画が中心ですが、写真や立体もあります。

 大川さんは「SENDAI」という題の組写真です。20枚ほどあって、すべてモノクロ。都市を歩く人々をスナップしています。
 うつっているのはファッショナブルな装いをした人が多く、そこには仙台という土地に固有のものがまったく見えないのが興味深かったです。日本の都市がどこもおなじようになっていることの現れでしょうか。

 稲恒さんは日本画ですが、いわゆる花鳥風月の写実からはほど遠い、独特の人物画を出品しています。
 「一時停止」は、車の運転席と助手席にいるふたりの人物を描いていますが、髪の毛などがカラフルで非現実的な色で描かれ、ポップなイラストふうなテイストも感じられます。

 丸山さんも日本画のようで、2点を出品しました。
 うち1点は、宇宙人のような顔のアップ。もう1点の「CHILDREN」は、子どもがふたり描かれています。
 「うまいか、へたか」という二分法だと、これはまるで子どもがかいた怪獣の絵のようで、非常にへたではないかと思うのですが、そういう分類を無にするようなふしぎな魅力に富んでいます。これもひとつの世界の現れなのだというふうに思われるのです。

 林さんは壁掛け型の立体2点を展示していましたが、そのうち「執着点」がおもしろかった。
 動物の化石を思わせる奇妙なかたちをした木彫の立体に、掃除機についているようなホースが取り付けてあるのです。不気味なものと既製品とを合体させた作品が、ユニークな効果をあげています。題も「終着点」をもじったのでしょうか。

 齊藤さんは風景画を何点も出しています。「無題」など、どこかぼんやりした描かれ方が、現代的だなあと思います。


 なお、会場は「スペース2」という、ガラスのピラミッド内にあるギャラリースペースです。ガラス越しに光が入るアトリウムではありません。壁がすべてガラスの空間であるアトリウムに絵画などを展示することは、相当むつかしいと思います。

 冒頭の画像は「ガラスのピラミッド」の遠景です。
 ことしは秋の跫音が早いですね。


08年8月22日(金)-27日(水)10:00-19:00(最終日-18:00)
モエレ沼公園ガラスのピラミッド(東区モエレ沼公園) スペース2


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