黄色やオレンジといった暖色を中心に、水色などをまじえて、あたたかみのある風景を描く札幌の新見亜矢子さんの、2年ぶりの個展です。
2年前は「駅」というテーマで札幌近郊の駅の風景を描いていましたが、今回は海外を中心とした各国の風景がモティーフ。
もちろん、近年急にお金持ちになって海外旅行をしているのではなくて、学生時代にホームステイしたさいにスケッチしたものから描いた作品なども含まれています。
冒頭画像の右側は、モンサンミッシェルが題材ですが、このような名所は例外的で、わざわざ米国まで行って赤い道しか描いてないのかよ!(道-Ole Strubridge Villageの丘へ(America))というような、そのときそのときに受けた印象をたいせつにした絵が多いです。
新見さんは「臨場感を大事にしたい。描いている途中に夢中になって見失ってしまいがちな、全体の雰囲気とか、第一印象をたいせつにしていきたい」と言います。
また、雪の日や夕暮れは、風景の中の人びとがみんな一体になる感じがでるので、好きだともいいます。
こういうあたたかな世界が新見さんの目に飛び込んでくる外界なんだな。いいな~。
左から
Ole Strubridge Village(America)
道-Ole Strubridge Villageの丘へ(America)
街(France)
フランスもパリとは明示されていませんね。もちろん、実際の風景を前にかいたのだろうけど、茫漠とした色と光に包まれ、アノニマスな(無名な)風景に見えてくるように思えます。
米国の2点はさらに、どこにでもある、なつかしさ漂う風景。
英国の駅。
そういえば、新見さんの風景画には、人物が描かれていないことが多いです。しかし、さびしい感じはしません。ついさっきまで誰かがいたような、人いきれが感じられる絵だと思います。
出品作は次のとおり
ロンドン(England)
モンサンミッシェル(France)=同題2点
Dr.David's Farm(Canada)
海辺(New Zealand)
道-蘭州(China)
Ole Strubridge Village(America)
道-Ole Strubridge Villageの丘へ(America)
街(France)
駅(England)
ダニーデン(New Zealand)
駅-夕刻(Japan)
まち(Japan)
氷国(Japan)
眺め(China)
Dr.David's(Canada)
2011年8月8日(月)~13日(土)10~6時(最終日~5時)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)
■新見亜矢子個展-駅-(2009年)
■岩内出身若手画家 三人展 (2007年、画像なし)
■水戸麻記子 新見亜矢子 二人展(2002年)