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Toshiya SHIMOSAWA is a potter artist lives in Sapporo.
He makes works like sculptures. His works are very powerful and impressive.
札幌在住の下沢敏也さんの個展。
陶芸家は道内にもたくさんいますが、オブジェやインスタレーションなどを道内外で精力的に制作・発表している存在といえば、下沢さんのほかにはいないでしょう。
個展のほか、昨年は、日本を代表する陶芸家の鯉江良二さんや、札幌のベテラン造形作家阿部典英さんとの3人展を成功させたり、彫刻家などによる「北海道立体表現展」に参加するなど、幅広く活動しています。
これまでは「風化」をテーマに、陶とは思えない巨大な作品で見る者を圧倒してきた下沢さんですが、今回は、むしろ、風化したあとの「再生」に焦点を当てているように感じました。
会場の北半分には「RE-BIRTH 水の行方」「RE-BIRTH 光の行方」と題した作品。
直径130センチの円形の鉄板に腐蝕液をかけ、その上に白い土を載せています。
遠目には、火山湖がミルクをたたえているようにも見えますが、その手の「見立て」ではありませんね。
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土は焼いておらず、ひび割れが、風化とか、時の変化といったものを感じさせます。
「もうちょっと腐蝕の色が出てくると思ったんですが」
と下沢さん。
会期中に変化する作品を想定していたようです。
白い土といっしょに置かれているのは、流木です。
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一方、ギャラリーののこり半分に展開しているのは「RE-BIRTH 森の行方」です。
これまでの作品に比べるとやや小ぶりですが、18本の塔が、等間隔に並んでいます。ここでも白い土が使われています。
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反対側から見た「森の行方」です。
カメラを床ぎりぎりに構えて撮りました。
このギャラリーは、道路に面した側が大きなガラス窓になっている上、「森の行方」のある側も、すりガラスの窓がはめ殺しになっています。
夜は作品が、両方の窓に反射して映り、会場全体でおもしろい効果をあげています。
ギャラリーの本庄さんによると、昼と夜とで光の入り具合がぜんぜん違うのだそうです。
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入り口の左側、朱色の石を敷き詰めた庭にも、立方体を三つつなげたような作品が設置してあるので、お見逃しなく。
2009年4月17日(金)-29日(水)10:00-19:00(最終日-17:00)、火曜休み
ギャラリー創(中央区南9西6 地図F)
・市電「山鼻9条」から1-2分
・地下鉄南北線「中島公園」から5分
・ジェイアール北海道バス「南9西7」から2-3分
□下沢さんのサイト http://zawa32.com/
■下沢敏也陶展-風化から森へ- (2008年8月)
■交差する視点とかたち vol.2(08年7月)
■「響韻と、在る。」石川亨信さんとの2人展(08年4月)
■交差する視点とかたち 川上力三・阿部典英・下沢敏也(07年7月)
■07年4月の個展
■田村陽子さんとの2人展(07年1-2月)
■下沢トシヤ陶展(06年12月)
■西本久子さんとの2人展(06年1月)
■下沢トシヤ陶展(04年6月)
■北海道立体表現展(03年)
■下澤敏也・多田昌代2人展(03年、画像なし)
■下澤敏也・多田昌代2人展(02年、画像なし)