北海道美術ネット別館

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■六人展:スポーツと風景の或る世界 (2016年11月4~15日、札幌)

2016年11月10日 21時21分57秒 | 展覧会の紹介-写真
 タイトルの「或る」は「ある」もしくは有る」の誤りではないかと思うのだが、案内はがきも、キヤノンギャラリーのウェブサイトもこの字になっているので、とりあえず原文のままにしておいた。
 サイトには次のような説明がある。

写真家、水谷章人氏に師事した時代も年代も異なる5人の写真家、大河原弘氏、高澤礼男氏、小口和利氏、播本明彦氏、築田純氏と、水谷氏を含めた6人によるグループ展。


 大まかにいうと、水谷さんが師匠格で、弟子の5人のうち、小口さんが山岳や風景の、他の4人がスポーツの写真を発表している。
 皆さんプロなので、水準は高い。

 ここで取り上げるのは、高澤さんが1950年小樽生まれで、昨年12月、65歳で亡くなったためだ。
 今回の写真展は、彼の追悼の意味もあるのだろう。

 高澤さんは東京写真専門学校を卒業後、水谷さんに師事。
 スポーツ写真の分野では、プロ野球の横浜ベイスターズのオフィシャルカメラマンを長年務めたそうである。
 79年には「ラグビー 泥だらけの栄光」という本を共著で上梓している。

 会場にあったのは、スキーの写真が7枚。
 夕日をバックに急斜面を2人のシルエットが滑り降りる作品が美しい。
 それと、ラグビー競技をとらえたモノクロフィルムのベタ焼きが展示してある。先の本の出版用なのか、ところどころ赤っぽい色のペンで印がつけられ、トリミングの指定をしてあるコマもある。
 ベタ焼きとは、フィルムから引き延ばしてプリントする前に、フィルムそのままの大きさに全コマをプリントしてどれを本格的にプリントするか選ぶためのもの。トリミング指定や、傷の発見などにも用いることもある。ひさしぶりに見たなあ。

 このほか、ハワイのトライアスロンをテーマに撮っている人、葛西選手や高梨沙羅選手のジャンプやバレーボールなどスポーツ全般を追っている人、ゴルフ写真中心の人などさまざまだが、個人的には小口さんのアルプスの写真にひかれた。
 マッターホルンの上の空に流れる天の川が、湖面に反射している1枚や、アイガーにダブルの虹がかかっている写真など、まさに決定的瞬間といいたくなる。


2016年11月4日(金)~11月15日(火)午前10時~午後6時、土日祝日休み
キヤノンギャラリー札幌(札幌市中央区北3西4 日本生命札幌ビル)




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