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■第34回 札輝展 (2022年4月19~24日、札幌)

2022年04月25日 19時11分40秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 油彩、水墨画、木彫、写真、イラストレーション、編み物など非常に幅の広い展覧会で、毎年春に開かれています。
 「日輝展」の北海道支部展を名乗らないのは、ハードルを低くしておこうという、事務局の判断かもしれず、正直言ってしろうとの趣味としか言いようのない作品も含まれていますが、そのことがアンデパンダン的な楽しさを醸し出しています。

 冒頭は本田滋さん「朝陽に生きる孤高のポプラ」(右)と「風舞のコスモス」。
 「朝陽…」は、石狩市厚田の「夕日の美術館」に車で通う際に、たびたび目にしていたポプラの木がモティーフ。
 あざやかな黄金色に耀く空をバックにそそり立つ木のさまは感動的で、日輝展で文部大臣賞に輝いたのもうなずけます。
 20号と小さかったためか、早々と東京の日輝展から返送されてきました。
「スケッチを繰り返しました。もう出品しないかなと思っていたんですけどね」
と本田さん。

「風舞のコスモス」は、自宅近くで描いた、本田さんにはめずらしい花の絵。

 ほかに「新川 秋満つる」と「茨戸川黎明」を出品。
 前者は新川沿いのポプラの木々をすかして手稲山の山頂が見える風景画。
「生活の中の並木に元気を感じますね」


 さて、次の2枚は、無断で写真を撮ってきたので、まずかったらおっしゃってください。

 
 正月恒例の「New Point」展など、衣服のボタンをちりばめたユニークな平面作品を盛んに制作・発表している ko-ayaさんの「N子N子N子N子」。

 最近飼い始めたカタツムリをモティーフにした4枚組みで、いつものようににぎやかです。
 そのにぎやかさの中から、どっこい生きる小さな命をいつくしむ気持ちのあたたかさが伝わってくるようです。
 N子はカタツムリの名です。


 
 
 小屋畑拓さんは5点出品していますが、画風がまるで異なるのがおもしろいところです。

 「がんばれぼくの」は、スナックなどが並ぶ夜の町(あるいは雑居ビルの廊下)が題材ですが、手前にテレビゲームのコントローラーを持つ手が描かれており、スナックが本物なのかシミュレーションなのかあいまいにされているところがおもしろいです。

 あるいは「Tough Heart」。
 家の窓の近くで、両手を頭の後ろにあてて仰向けに寝転がっている男性を大きく描いていますが、チェックのシャツの旨のところに小さな氷がたくさん入った洗面器が置かれ、心臓がぷかぷか浮いている場面というのがユニークです。男性はのどが黄色、耳は緑ですが、それほど異様な感じはありません。ただ、洗面器は、手術の後で胸に埋め込まれているようにも見える、ふしぎな作品です。

 画像は「強制入院」。
 男が別の男性をむりやり車に連れ込もうとする様子を、白衣姿の3人が黙って見ているところが不気味です。
 背景の近代的なビルディングとあわせ、なにかの白昼夢のようでもあります。 


2022年4月19日(火)~24日(日)午前10時(初日は午後1時)~午後5時(最終日~4時)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)

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