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坂東宏哉■PLUS ONE THIS PLACE (9)=9月26日で終了

2010年10月20日 21時50分23秒 | 展覧会の紹介-現代美術
承前)

 坂東宏哉さんの「かけがえのないものへ10-2」です。

 絵画から出発して立体の方へ表現の幅を広げるメンバーの多い「プラスワン」ですが、坂東さんは一貫して平面です。
 それも、オールオーバーな色面を持つ抽象画で、大地や宇宙といった大きなものを聯想させる作品が多いように思います。

 今回の作品は、2階から吹き抜けを通して、1階まで垂らすという、縦長の大作となっています。
 普段とは異なる展示方法が目立つ今回の展覧会のなかでも、ひときわ特徴ある建築空間を生かした展示になっています。
 色は、青→赤→黒と微妙に変化しています。

 この美術館に作品を展示するにあたって
「コンクリートのごつごつした壁の肌が目についた」
という坂東さん。
 コンクリートに直接色を塗って描きたかったが、そういうわけにもゆかない。
 「キャンバスに描いて上から垂らすのも重くなってくるし、たまたま印刷屋さんから、いい紙があるといわれて、0.4ミリ厚のユポ紙に珪藻土を塗ってアクリル絵の具をしみこませています。伸び縮みもせず、安定しています。個展でこれを横向きにしてぐるっと部屋中に回してみたら、全然違う見え方がするなあと感じました」

 「自分が鳥か何かになって上空から地球や惑星を見下ろしているような、過去や未来を飛ぶ目になってみたいという願望があります。できあがって作品を見るとき、そういう『目』になりたいという感覚になります」





 何億年もの時間の流れを凝縮したような、スケール感の大きな作品だと思いました。

 図録には次のように書かれています。

一つの目となって 地上を見る
一つの目となって 水中へ潜る
一つの目となって 地中へ潜る
一つの目となって 過去を見る
一つの目となって 未来を見る
その目は 私のなかの 何かを引き出す



2010年9月11日(土)~26日(日)10:00am~5:00pm(入館は4:30まで)、月曜休み(月曜が祝日の場合は翌火曜休み)
本郷新記念札幌彫刻美術館本館(札幌市中央区宮の森4の12)


PLUS 1 Groove (2009年8月)
PLUS 1 +柴橋伴夫企画 空間の触知へ-連鎖の試み 谷口明志 坂東宏哉 大島潤也 ダム・ダン・ライ(2009年8月)
two members of PLUS 1 千代明・坂東宏哉(2008年)
PLUS1 groove(07年8月)
グループ・プラスワン展(06年)
5th グループ・プラスワン(04年)


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