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■木村環作品展“Perfume Garden” (3月23日で終了)

2008年05月01日 22時43分50秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 この文章を書いているのは5月初旬で、木村さんはすでにつぎの個展(木村環作品展“アリス!”=5月2日(金)-11日(日)11:00-19:00、ギャラリー門馬ANNEX。中央区旭ヶ丘2)。の搬入作業に取りかかっているわけで、アップがおそくなって非常に申し訳ないのですが、考えてみれば、彼女がCDショップの片隅で初の個展をささやかにひらいたのはわずか1年前のこと、その後、矢継ぎ早に個展や2人展をひらいて、しかも毎回すべて新作をそろえ、あの独特の鉛筆細密画は、すっかり札幌の美術シーンに定着した感があります。実質デビュー1年、都心の一般的なギャラリーは初めて、ときくと、たしかにそうなんですが、ちょっと信じられません。
 鉛筆画というと、なんだか弱々しい印象を持つ言葉かもしれませんが、細部まで丁寧かつ精緻(せいち)に描きこまれ、イマジネーション豊かな世界が展開する彼女の絵画世界は、ほかに類例のないものだといえるでしょう。会場に合わせ、出品全作品を縦か横に統一するなど、用意周到さもかなりのものです。
 今回も、人の頭部が鳥かごになっていたり、背中から細い枝のようなものがびっしりと生えていたり、髪の中に4組のこびとがひそんでいたり、この作者ならではのメタモルフォーゼがあちこちで爆発しています。

 ただし、会場で少し作者と話したのですが
「わたしは、自分がどれだけ自由になれるかやってみたい」
ということばには、なんだかぐっときましたね。
 木村環といえばああいう画風-というところに安住せず、早くも次のステップを見据えているようなのです。
 そんなに急いでどうするの、という気もしましたが、やっぱりアーティストなんだよね。


 出品作は次のとおり。
「寄生1」
「寄生2」
「寄生3」
「唄う人」
「鳥カゴ」
「蜂」
「花1」
「花2」
「肖像1」
「肖像2」
「肖像3」
「繭1」
「繭2」
「肖像4」
「デビルマン」
「蔦」
「羽根」
「カラー」
「薔薇」
「庭師1」
「庭師2」
「寄生4」
「寄生5」
「寄生6」


08年3月18日(火)-23日(日)11:00-19:00(最終日-17:00)
ギャラリーユリイカ(中央区南3西1、和田ビル2階 地図B)


□Smiling Hour http://www006.upp.so-net.ne.jp/kim-igor/

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