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■井上まさじ展 (5月9日まで)

2010年05月08日 23時17分08秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 札幌の画家井上まさじさんの個展にようやく行ってきた。

 井上さんは年に1度、ギャラリーミヤシタでの個展がほとんど唯一、作品を見る機会で、団体公募展にもグループ展にも参加していない。
 題のない抽象画を20~30点並べているだけなので、とっつきにくい方だと思われている向きもあるかもしれないが、ご本人はいたって気さくである。

 その作品についてはこれまで何度も記してきたからここでは詳述しないが、小さなローラーに絵の具やメディウムをつけて何回も何回も転がして、色を削ってはまた転がし…という過程を、数え切れないほど繰り返して制作されるという。
 その過程で、まるで歯ブラシの歯をびっしりと植え込んだかのような突起が画面全面を覆い尽くす。それが、光を調節し、井上さんの絵を、とびきり輝かしい色彩にしているのだ。

 突起は単に透明なメディウムでできているのではなく、たとえば下地の基調が青の場合、途中に赤を入れることで、さらに色の効果を上げる-といったわざも駆使しているという。
 しかし、色の重なり具合がうまくいっているかどうかは、完成してみないとわからない。失敗した場合は、表面を削り落としてまたやり直すのだそうだ。
 井上さんの絵の途方もない美しさは、これまた途方もない試行錯誤の果てに生まれているのだろう。

 今回は、いつになく、多くの技法による作品が並んでいるように思う。
 糸を左右に、平行に張り渡して着彩した作品や、極細ペンで点や輪をびっしりと描いた単色の作品もある。
 その一方で、いささかアクロバティックな色の組み合わせが減って、オレンジならオレンジ、青なら青、というように、同系色でまとめた作品が多くなった。もちろんそれは、色あいが単調になったということではなく、完成の時点でまとまりの度合いが高くなったということなんだろう。
 津軽塗のようなふしぎな配色の絵もある。額に顔を近づけると、後退色と前進色がせめぎ合い、突起の尖端の色が下の層の色と響きあって、見ていると飽きない。

 これらの作品は、画像ではとうてい紹介できない。
 一度もご覧になったことのない方はぜひ足を運んで色彩の美しさに陶然としてほしいと思う。



2010年4月14日(水)~5月9日(日)正午-7:00(最終日-5:00)、月曜休み
ギャラリーミヤシタ(中央区南5西20 地図D

井上まさじ展(2009年)
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札幌の美術2003
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