![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/66/6e445926110819fd1bf0e5aef1afd8f9.jpg)
(承前)
谷口顕一郎さんは年、札幌生まれ。
道教大在学中からグループ展などで作品を発表していた。
「凹み」の作品に取り組み始めたのが2000年。
前項で取り上げた、篠路での「出会い」が元らしい。
(これは、おそらく同年の「篠路アートプロジェクト」のことだろう。ただし、これをネット検索しても、武田浩志さんの経歴などに出てくるだけで、全体像がよくわからない)
道路や、建物の壁などに、風化などで生じたへこみや傷を形に取る。その形に樹脂を流し込み、黄色いプラスチック板に整形し、さらにそれをちょうつがいで折りたたんで彫刻にしている。
したがって、谷口さんの彫刻は、一般的なそれと異なって、自分で一から形を創りあげるのではない。
自然が長い時間をかけて作った形の中から選び取っているのである。
選択の過程、そして、できあがった形を折りたたむ際に、谷口さんの作為や意思が入り込むことになる。
谷口さんは 年からベルリンに拠点を移した。
凹みの採集も、バルセロナなど世界各地で行っており、その様子を写した映像が、館内で流れていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/0a/1de270c9953c657f81cbf1729ae11732.jpg)
最後のコーナーにあったのが、世界凹みマップ。
これによると、谷口さんの「凹みを探す旅」は、文字通り世界中に及んでいる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/80/3c49b6ac1988a5dad71540652d7b6c49.jpg)
ブルキナファソ、エジプト、モロッコ
オーストリア、ベルギー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、英国、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マケドニア、北アイルランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、チェコ、オランダ、ユーゴスラビア、バチカン
中国、インド、日本、ネパール、タイ、トルコ
米国、アルゼンチン
以上が「Hecomi Map of the WORLD」に記された国名だ(採取地不明も5点あった)。
今回の個展は「本郷新記念札幌彫刻賞」の受賞記念と銘打っている。
同賞の由来については、下記のリンク先を参照してください。
今回は、これまで世界をまたにかけてきた谷口さんが、久しぶりに、自分の足元というか、ルーツを見つめる機会になった。
それは同時に、この街の成り立ちに、私たち見る者が思いをいたす機会にもなったのだ。
札幌の大地を作ってきた水の流れに。
2015年7月11日(土)~9月27日(日)
本郷新記念札幌彫刻美術館(札幌市中央区宮の森4の12)
□Ken'ichiro Taniguchi http://kenichirotaniguchi.com/index.html
□月刊/凹みスタディ http://hecomi.exblog.jp/
関連記事へのリンク
谷口顕一郎《凹みスタディ―琴似川 北12条西20丁目―》、大通駅に登場
第1回本郷新彫刻賞に谷口顕一郎さん
【告知】第1回本郷新記念札幌彫刻賞記念シンポジウム 環境に生きるかたち―パブリックアート、ふたたび
本郷新賞の公募賞切り替えを機に、北海道からのアート情報発信は求められているのかについて考える
07年11月6日
■札幌の美術2003 19+1の試み展
■「凹みstudy」 Kenichiro Taniguchi Solo Exhibition (2003、画像なし)
■世界凹み図鑑完成記念論文発表会 (2002)
■リレーレクチャー4000万キロ報告展 (2001)
■地上インスタレーション計画(2001)
「カナコ雪造カンパニー」を見ていて、「ヒロケンズ」を思い出した(2009、画像なし)
なお、2002年の美術誌「てんぴょう」12号に、筆者が書いた谷口顕一郎展の評が掲載されています。つたない文章ですが、まとまった批評としては初めてのものだと思いますので、機会があればごらんくだされば幸いです。
谷口顕一郎さんは年、札幌生まれ。
道教大在学中からグループ展などで作品を発表していた。
「凹み」の作品に取り組み始めたのが2000年。
前項で取り上げた、篠路での「出会い」が元らしい。
(これは、おそらく同年の「篠路アートプロジェクト」のことだろう。ただし、これをネット検索しても、武田浩志さんの経歴などに出てくるだけで、全体像がよくわからない)
道路や、建物の壁などに、風化などで生じたへこみや傷を形に取る。その形に樹脂を流し込み、黄色いプラスチック板に整形し、さらにそれをちょうつがいで折りたたんで彫刻にしている。
したがって、谷口さんの彫刻は、一般的なそれと異なって、自分で一から形を創りあげるのではない。
自然が長い時間をかけて作った形の中から選び取っているのである。
選択の過程、そして、できあがった形を折りたたむ際に、谷口さんの作為や意思が入り込むことになる。
谷口さんは 年からベルリンに拠点を移した。
凹みの採集も、バルセロナなど世界各地で行っており、その様子を写した映像が、館内で流れていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/0a/1de270c9953c657f81cbf1729ae11732.jpg)
最後のコーナーにあったのが、世界凹みマップ。
これによると、谷口さんの「凹みを探す旅」は、文字通り世界中に及んでいる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/80/3c49b6ac1988a5dad71540652d7b6c49.jpg)
ブルキナファソ、エジプト、モロッコ
オーストリア、ベルギー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、英国、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マケドニア、北アイルランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、チェコ、オランダ、ユーゴスラビア、バチカン
中国、インド、日本、ネパール、タイ、トルコ
米国、アルゼンチン
以上が「Hecomi Map of the WORLD」に記された国名だ(採取地不明も5点あった)。
今回の個展は「本郷新記念札幌彫刻賞」の受賞記念と銘打っている。
同賞の由来については、下記のリンク先を参照してください。
今回は、これまで世界をまたにかけてきた谷口さんが、久しぶりに、自分の足元というか、ルーツを見つめる機会になった。
それは同時に、この街の成り立ちに、私たち見る者が思いをいたす機会にもなったのだ。
札幌の大地を作ってきた水の流れに。
2015年7月11日(土)~9月27日(日)
本郷新記念札幌彫刻美術館(札幌市中央区宮の森4の12)
□Ken'ichiro Taniguchi http://kenichirotaniguchi.com/index.html
□月刊/凹みスタディ http://hecomi.exblog.jp/
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07年11月6日
■札幌の美術2003 19+1の試み展
■「凹みstudy」 Kenichiro Taniguchi Solo Exhibition (2003、画像なし)
■世界凹み図鑑完成記念論文発表会 (2002)
■リレーレクチャー4000万キロ報告展 (2001)
■地上インスタレーション計画(2001)
「カナコ雪造カンパニー」を見ていて、「ヒロケンズ」を思い出した(2009、画像なし)
なお、2002年の美術誌「てんぴょう」12号に、筆者が書いた谷口顕一郎展の評が掲載されています。つたない文章ですが、まとまった批評としては初めてのものだと思いますので、機会があればごらんくだされば幸いです。
(この項、了)