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■春陽会道作家展 2013年11月30日(3)

2013年12月02日 02時02分02秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
(承前)

 歴史の古い団体公募展の春陽会。その絵画部の道内作家による春陽会北海道研究会が毎年集まって、札幌時計台ギャラリーで開いている展覧会を、4年ぶりに見た。

 たった4年で、当時の会員6人のうち、八木伸子、宮西詔路、谷口一芳、崎山かずこの4氏が鬼籍に入り、残っているのは、安田完さんと折登朱実さんのみ。ほかに、新出リヱ子さんが会員に推挙されている。
 重鎮といえる4人が亡くなってしまったのだから、会場の雰囲気もがらりと変わった。出品22人のうち、男性は2人だけ。「画家・画家志望の切磋琢磨せっ さ たく ま の場」から「絵画好きな女性の集まり」へと大きく変わってしまったような気がする。そのこと自体をどうこう言うつもりはないが…。

 ほとんどの人がこれまでの画風を継承している中で、ちょっとおもしろかったのが、奥山哲三さん。
 宮沢賢治の童話集の挿絵に出てきそうな帽子をかぶった人物の上に建物がはえていたりする基本は変わっていないのだが、色彩が固有色と全く無関係にちりばめられて実験的な作品になっていた。
 また、豊嶋章子さんは、びんをモティーフにした室内画だが、一般的な横から見た構図ではなく、床に置いたびんなどを斜め上の角度から見ている構図になっていた。

 福島靖代さんは新道展会員で、ちゃんと自分の世界を持っている人だけど、春陽に出し始めたのは最近ではないかと思う。「クラムボン」というのは、宮沢賢治への言及か。赤を基調にしたシュルレアリスム的世界。

 出品作は次のとおり。
会員
折登朱実 遙かな空(80×110)
新出リヱ子 開―快(F130)
安田完  漂(F50)

会友
荒川敬子 風閾A(F100)風閾B(F100)
奥田順子 工場(F100)
奥山哲三 ソラノユクエ(F130)ヨルノユクエ(F130)
小黒雅子 景(1)(S100)景(2)(S100)
小原敦美 山II(F100)
川股正子 鳥来る日(1)(F100)鳥来る日(2)(S100)
川真田美智子 朔北(F100) 棲(S80)
斎藤啓子 風~今一度~I(F100)風~今一度~II(F100)
佐藤愛子 BOGEY(F100)BOGEY(2)(F100)
佐藤史奈 風が創る(F100)海 凍る(F100)
豊嶋章子 冬陽(F100)冬陽入る(F100)
山形和子 市の女(A)(F120) 市の女(B)(F100)
山本周子 花の話 I(F130)花の話(F130)

一般
河合春香 水盤・ゆるやかな呼吸(F130)
鈴木いずみ GINZA 昼さがり(F60)GINZA 雨あがり(F60)
高橋清子 アドリブ(F100)残響(F100)
田中緑  小さな虹(F100) 雨が来る(F100)
福島靖代 北の森から クラムボン(F100)北の杜から Mに捧げる(F100)
安田祐子 触れられるものすべて(F130)


2013年11月25日(月)~30日(土)午前10時~午後6時(最終日~5時)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)


□春陽会サイト http://www.shunyo-kai.or.jp/

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