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■第29回 道彩会会員会友展 (1月30日まで)

2010年01月30日 10時53分26秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 昨年の「会員会友展」の評は、次のように書き出されている(一部表記手直し)。

 道彩会は、北海道水彩画会の略称。毎年9月ごろ、札幌市民ギャラリーで公募展「道彩展」を開いているほか、1-2月には、札幌時計台ギャラリーで「会員会友展」を開催している。
 道彩展も、道内の他の団体公募展と同じく「会員」「会友」「一般」の3段階なのである。
 この団体は、道内の水彩画家みなが加盟しているわけではない。道展や日本水彩画会、水彩連盟に出品して、道彩展にも所属している人もいるし、所属していない人もいる。

 全体的な傾向として、筆者はいつも
 「フォーブ調の人物画や静物画が多い」
という枕詞まくらことばをつけてきたが、その形容にあてはまらない作家もいるのは言うまでもない。


 水彩画というと、英国調のおだやかで上品な風景画や静物画を思い浮かべる人が多いだろうけど、道彩会はもっと勢い重視で大まかな筆遣いの絵が大半である。

 この会を事実上率いている八木保次さんは全道展会員の大ベテラン。
 今年はめずらしく「雪の朝」という、具体的な題がついている。
 画面はいつも通りで、黒や白、水色などの飛沫や線が全面に躍動している。
 とても80代とは思えぬ若々しい画面である。

 その左側には辺見富美子さん「雨やどり」。
 モスグリーンに覆われた画面に、邸宅の庭にあるような子供用箱形ブランコが描かれているのがかすかにわかる。傍らには鳥がいる。空気感を題字にした作品。
 青木美樹さん「風景」は、黒い線のおどる抽象画。どこか前衛書を思わせ、また、ハンス・アルトゥングやジョアン・ミロにも共通する力強さがある。
 栗山巽さん「宙-流星群」は、題とはうらはらに花火大会のようである。よーく見ると支持体はキャンバスのよう。それに紙などを貼り、白や黄色、オレンジを散らしている。小品ながら宇宙の広がりを思わせる夢幻の世界を展開しているのはさすがベテランだと思う。

 筆者が足をとめるのって抽象画ばかりだな(苦笑)。

 B室に移る。中田やよひさんはグレーを基調に、湿った空気と空間を感じさせる絵を制作するが、今回の「残花」は、いつになく奥行き感を欠いているように思われる。左右の広がりの中で画面を構成していると感じられるのだ。
 小堀清純さん「崖下の屋並」に、「みず賞」という札がついていた。小堀さんも大ベテランなのだが…。
 いつもの写実からちょっと離れて、ぎっしりと家がたちならぶ風景を自由に描いているという印象を持った。

 今回は、いくつかの作品に、題の横に画材が記されている。横山順一郎さんなんぞは「アクリル」だけで、もう水彩画というよりほとんど油彩のように見える。
 ことしも大橋頼子さんがいない。川本エミ子さんの作品もなかった。たまたまこの日、別の場所で川本さんご本人にお会いしたら、道彩展は退会されたとのことだった。 


2010年1月25日(月)-30日(土)10:00-6:00(最終日-5:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)

第28回会員会友展
第28回道彩展(2008年)
第27回道彩展 会員会友展(08年1-2月)
07年の道彩展会員会友展
第26回道彩展(06年)
第23回道彩展
=以上、画像なし


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