(承前)
日航機をおりた筆者がまず目にした光景は、入国手続きの長い長い列だった。
とにかく、長い。「フィンガー5」全盛期に、北海道厚生年金会館を取り囲んだファンの列よりも長い。
もっとも、入国管理の役人は大勢いるので、前に進むのもわりと早い。
無愛想な役人の前で10本の指紋を取り、顔写真を写す。容疑者扱いである。あまり感じはよろしくない。役人のいるブースの前では、大勢の米国人が
「Welcome」
とにっこり笑って来訪者を歓迎するビデオを流して、印象を良くしようと努めてはいるが(ちなみに、モニターについていたロゴは「SHARP」であった)。
以前ちがう国で筆者が受けた入国手続きは、
「Oh,Japanese? OK」
みたいなもので、もうすこし調べなくてよいのかとこちらが心配になるぐらいに簡単至極なものであったことを思えば、その差に驚かざるを得ない。
係官に滞在日数をきかれ、急にどぎまぎして
「twentysecond,twentythird...」
と、指を折り始めた筆者であった。
なお、出国手続きはもっとひどい。
べつに、おれ、アルカイダじゃないんだけど-と言いたくなるほど、ものものしい警備におどろく。。空港ロビーと免税ショップのゾーンの間だけ、まったく異なる世界になっている。
さて、手荷物受け渡し所までくると、ようやく気分が晴れる。
新千歳空港のように、係員が、お客さんがほんとうにじぶんのスーツケースを受け取ったかの確認まではしない。
あたりには、たくさんの出迎えの人が来ていて、到着した人と抱き合ったりしている。いいな。
とりあえず、最初にやることとして
「100ドル札を細かくする」
に取りかかろうとするが、どこに行けばいいのかわからずうろうろ。
「国際仏教学会 歓迎」
の札を持った西洋人のおじさんと二度も目が合い、おたがいニヤリとして「No」と手を振る。
informationのお姉さんに尋ねると、なにを行っているのかよく分からないが、どうやらカフェで崩してくれそうとのこと。手荷物受け渡し所を出たところの近くにあるカフェへ行き、コーヒーとサラミのホットサンドを註文する。
100ドルを細かくするという所期の目的は達成できたが、サンドイッチはまずかった。
「バート」と呼ばれる、空いた電車に乗って、サンフランシスコ市街へと向かう。
地下の部分が多いが、地上を走る部分からは、安普請の長屋のような住宅が乾いた斜面にどこまでも広がって見える。
着陸直前、空から見たベイエリアの街並みの美しさにおどろき、フォスターシティにはいったいどんな人が住んでいるのだろうと感心したものだが、もちろんカリフォルニアにも垢抜けない地域はあるのだろう。
中心街にある駅でおりると、そこは、いきなりサンフランシスコだった。
半地下になっている駅舎からエスカレーターで地上に出てすぐのところが、名物ケーブルカーの発着場なのだ。
デパートやブランド店が並び、ストリートカーやトロリーバスが行き過ぎ、街角ではサンタナのようにギターをかきならすおじさんがいて、スケートボードでかっこよく走っていく学生がいる。東洋系、スパニッシュ、黒人・・・。いろんなエスニックグループの男女がたくさん歩いている。サンフランシスコの大通公園ともいえる「ユニオンスクエアガーデン」の周辺はホテルやお店がぎっしりと立地し人通りも多く、空洞化とは無縁である。
いままで、さんざんテレビや映画で見てきた光景が現実の前に登場したみたいで、なんだかヘンな気分だ。
小売業の世界共通化が進んできたことは、筆者のような旅行者を安心させるとともに、物足りなく感じさせもするだろう。
H&Mは札幌にはまだないけれど、スターバックスコーヒーとかアップルストアとかGapとかTHE BODY SHOPとかバナナリパブリックとかDIESELとかLevisとか、きりがないからやめるけど、ようするに札幌と同じじゃん!
Virgin Mega Storeが閉店してるのまで札幌と同じだったりする。
ちなみに、Levisはサンフランシスコが発祥の地らしい。とにかく、スタバは、中心部にはやたらと展開していた。
そうだ、セブンイレブンもありました。ほとんど「トリビアの泉」みたいな話になるけれど、マーケットストリートのセブンイレブンは711番地にあります(マーケットストリートは札幌だと駅前通に該当する一大繁華街。下を地下鉄が通っているのも同じだが、地上の路面電車を廃止していないところがえらい)。
ただ、日本のようなコンビニエンスストアはごく少なく、マチのふつうの酒屋・食料品スーパーといった感じの店が健在である。
(この項続く)
日航機をおりた筆者がまず目にした光景は、入国手続きの長い長い列だった。
とにかく、長い。「フィンガー5」全盛期に、北海道厚生年金会館を取り囲んだファンの列よりも長い。
もっとも、入国管理の役人は大勢いるので、前に進むのもわりと早い。
無愛想な役人の前で10本の指紋を取り、顔写真を写す。容疑者扱いである。あまり感じはよろしくない。役人のいるブースの前では、大勢の米国人が
「Welcome」
とにっこり笑って来訪者を歓迎するビデオを流して、印象を良くしようと努めてはいるが(ちなみに、モニターについていたロゴは「SHARP」であった)。
以前ちがう国で筆者が受けた入国手続きは、
「Oh,Japanese? OK」
みたいなもので、もうすこし調べなくてよいのかとこちらが心配になるぐらいに簡単至極なものであったことを思えば、その差に驚かざるを得ない。
係官に滞在日数をきかれ、急にどぎまぎして
「twentysecond,twentythird...」
と、指を折り始めた筆者であった。
なお、出国手続きはもっとひどい。
べつに、おれ、アルカイダじゃないんだけど-と言いたくなるほど、ものものしい警備におどろく。。空港ロビーと免税ショップのゾーンの間だけ、まったく異なる世界になっている。
さて、手荷物受け渡し所までくると、ようやく気分が晴れる。
新千歳空港のように、係員が、お客さんがほんとうにじぶんのスーツケースを受け取ったかの確認まではしない。
あたりには、たくさんの出迎えの人が来ていて、到着した人と抱き合ったりしている。いいな。
とりあえず、最初にやることとして
「100ドル札を細かくする」
に取りかかろうとするが、どこに行けばいいのかわからずうろうろ。
「国際仏教学会 歓迎」
の札を持った西洋人のおじさんと二度も目が合い、おたがいニヤリとして「No」と手を振る。
informationのお姉さんに尋ねると、なにを行っているのかよく分からないが、どうやらカフェで崩してくれそうとのこと。手荷物受け渡し所を出たところの近くにあるカフェへ行き、コーヒーとサラミのホットサンドを註文する。
100ドルを細かくするという所期の目的は達成できたが、サンドイッチはまずかった。
「バート」と呼ばれる、空いた電車に乗って、サンフランシスコ市街へと向かう。
地下の部分が多いが、地上を走る部分からは、安普請の長屋のような住宅が乾いた斜面にどこまでも広がって見える。
着陸直前、空から見たベイエリアの街並みの美しさにおどろき、フォスターシティにはいったいどんな人が住んでいるのだろうと感心したものだが、もちろんカリフォルニアにも垢抜けない地域はあるのだろう。
中心街にある駅でおりると、そこは、いきなりサンフランシスコだった。
半地下になっている駅舎からエスカレーターで地上に出てすぐのところが、名物ケーブルカーの発着場なのだ。
デパートやブランド店が並び、ストリートカーやトロリーバスが行き過ぎ、街角ではサンタナのようにギターをかきならすおじさんがいて、スケートボードでかっこよく走っていく学生がいる。東洋系、スパニッシュ、黒人・・・。いろんなエスニックグループの男女がたくさん歩いている。サンフランシスコの大通公園ともいえる「ユニオンスクエアガーデン」の周辺はホテルやお店がぎっしりと立地し人通りも多く、空洞化とは無縁である。
いままで、さんざんテレビや映画で見てきた光景が現実の前に登場したみたいで、なんだかヘンな気分だ。
小売業の世界共通化が進んできたことは、筆者のような旅行者を安心させるとともに、物足りなく感じさせもするだろう。
H&Mは札幌にはまだないけれど、スターバックスコーヒーとかアップルストアとかGapとかTHE BODY SHOPとかバナナリパブリックとかDIESELとかLevisとか、きりがないからやめるけど、ようするに札幌と同じじゃん!
Virgin Mega Storeが閉店してるのまで札幌と同じだったりする。
ちなみに、Levisはサンフランシスコが発祥の地らしい。とにかく、スタバは、中心部にはやたらと展開していた。
そうだ、セブンイレブンもありました。ほとんど「トリビアの泉」みたいな話になるけれど、マーケットストリートのセブンイレブンは711番地にあります(マーケットストリートは札幌だと駅前通に該当する一大繁華街。下を地下鉄が通っているのも同じだが、地上の路面電車を廃止していないところがえらい)。
ただ、日本のようなコンビニエンスストアはごく少なく、マチのふつうの酒屋・食料品スーパーといった感じの店が健在である。
(この項続く)
しかしヤナイさんの海外旅行記は新鮮だなあ。私も時差ぼけしてみたい。
10年前にくらべて、オーディオビジュアルがハイテク化したのにはびっくり。
前の座席の背についてるテレビで、何十本の映画はもちろん、10種類以上のゲームもできる。音楽はもちろんいろいろ聴けるし。