北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

■東京ADC賞受賞記念「オバケ!ホント?展」 (1月16日まで)

2010年01月15日 00時28分48秒 | 展覧会の紹介-CG、design
 Artdirection 岡田善敬、Illustration 倉橋寛之のコンビによる展覧会。
 北海道勢として初めて、広告業界でメジャーな賞である「東京ADC賞」を受けた作品で、受賞を記念しての開催ということです。

 単純にたのしいです。
 何かに白い布をかぶせて黒い目を二つ付ければ、何だってオバケみたいに見える-。この現象を岡田さんが思いついたのは、けさ(1月14日)の北海道新聞札幌圏版によると、「トムとジェリー」からだそう。これを応用した写真をはじめ、オバケがさまざまな形をとって活躍するグラフィクス(平面作品)、さらにはモビールが展示され、ブックカバーなどの文房具、Tシャツなどが販売されています。

 グラフィクスでおもしろかったのが、アルファベット26文字をオバケふうに表現してまとめた作品と、風神雷神図をオバケにしたてた作品。
 なんでもオバケになっちゃうんですね~。

 写真の方は、表側にさまざまなオバケの作品が、その裏側に、何に白い布をかぶせたのかが分かる「種明かし」の作品が、背中合わせにつるされています。
 これを見て、ふと考えてしまいました。
 或るものを「オバケ」と名付けるのは、なにを根拠にしてるんだろう、と。

 実際には、オバケなんかいなくて、標識とか猫を白い布で覆っただけなわけです。
 しかし、白い布ゆえに、オバケと認識されてしまうのです。すくなくとも最初のうちは。
 たとえば、ここにトロの寿司が一貫あったとします。見た目は寿司だけど、手に取ってみると、消しゴムだったり、あるいは、下部に車輪の付いた玩具だったりします。この場合、「名付けること」は、外観ではなく、用途に依拠しているわけです。
 オバケの場合、「用途」というのはありえませんが、人間が生きている時空での「あり方」みたいなものが問題にされているのですね。霊的な存在だとか、人を脅かすとか。
 あるいは、鯨の場合は、外観でも用途でもなく、科学的分類から、魚類ではなくほ乳類と認識され、その区分が通用している。
 「名付ける」ということは、簡単そうに見えて、じつはけっこうややこしい作業なのではないかと思いました。
 この展覧会にあまり関係ないですね、すいません。


2010年1月6日(水)~16日(土)11:00~8:00(最終日は5:00まで)
ほくせんギャラリーivory (中央区南2西2 NC HOKUSENブロックビル4階 地図B)

□ほくせんギャラリーivoryブログ http://sapporo.100miles.jp/ivory/

http://blog.goo.ne.jp/tbinterface/382eb64923e74c77cdc2347ffe5f4ab2/45


最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (のろちゃん)
2010-01-16 00:10:28
あっこれ、わたしも見に行きました。見に行ってプロフを見てびっくり仰天!倉橋さんの方は、子どものころによく遊んだ同郷の方でした。こんなこともあるんですね、びっくりです。

展示の方は、こんなこと書くとあれですが、作者の意図のようなもの?に自分が到達することができず、さらっと眺める程度で終わってしまいました。一緒に行ったこどもは喜んでました。
返信する
のろちゃんさん、ありがとうございます (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2010-01-16 10:00:18
まあ、楽しいからいいんじゃないかと思いました。
わたしは、人間の認識とかいろいろ考えちゃいましたけど。
だって、中身はおんなじなのに、白い布をかぶっただけで別のものと把握されちゃうなんて、なんだか不思議じゃないですか?
返信する
Unknown (のろちゃん)
2010-01-17 09:56:26
たしかに白い布をかぶると違うものに見えるんですけど、布をかぶせただけではだめで、私はそこについている「眼」が結構大切な役割を果たしているように思います。
っていろいろ考えると、たしかに不思議な感じがしますね。ありがとうございます。
返信する
Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2010-01-17 16:55:49
そうですね、目がないと、それこそ「画竜点睛を欠く」というか、なにかが足りない印象がとても強いですよね。
いろいろ考えてしまうのですが、でも、考えなくても、単純に楽しい展覧会だったと思います。
返信する
2回いってきしまた。 (エゾ三毛猫)
2010-01-17 22:41:35
最初行った時は、結構混んでいたので
時間ができたので改めて行ってみたら

  もっと混んでしまた。

実は、当人さんが仕事上お付き合いの
ある会社にお勤めの方とわかったので
一言挨拶をしようかと思いましたが、

「あっ、あの下版はいつですか?」と
突っ込まれそうなので早々に退散して
きた次第です。

肩の力が抜ける観て楽しい企画でした。


返信する
Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2010-01-18 23:30:35
「あの下版はいつですか?」と
突っ込まれそうなので

って、エゾ三毛猫さんおもしろすぎ。

 混雑してるっていうのもスゴイですよね。

 だいたい札幌のギャラリーや美術館って、あずましいぐらいにすいてますからね。


 いや、いいぞ、この調子だ!
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。