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アサヒビールが、全国のアートNPOや市民グループと協働して2002年にスタートさせた「アサヒ・アート・フェスティバル」のサイトによると、この展覧会の趣旨はつぎのようです。
「考える会」は、「田園都市…」の主催団体。
つまり、2002年の国際展「デメーテル」で高まりを見せた現代美術への関心を継続させていこう-と、帯広を舞台につづいているグループ展というわけです。
札幌での開催は初めてだと思います。
ちなみに、アサヒビール芸術文化財団が助成しているようです。
どうしてギャラリーなどではなく、文学館が会場になったか、理由はなんとなく察しがつきますが、ここではふれません。
ただ、筆者は、札幌市内のギャラリーなどではポスターやフライヤーを一度も見かけませんでした。
先週末の道新に出ていたので、それを見て足を運んだ人もいたかもしれませんが…。
このうち、池田さんは、2006年の国際美術展「越後妻有(つまり)トリエンナーレ」に出品するなど、国内外で幅広く活躍しています。
今回は映像作品3点を出品しました。
池田さんが、北海道文化財団海外派遣芸術家としてニューヨークに滞在中の2001年、同時テロが起きました。
衝撃を受けた池田さんはテロ直後の01年10月、モノクロの映像作品を制作しました。新聞広告で募集した36人に、テロを、身ぶりと短い言葉で表現してもらったのです。
その後、04年には文化庁特別派遣芸術家在外研修員としてふたたびニューヨークに滞在。01年、映像に登場した36人のうち所在をつかむことができた14人に集まってもらい、再度、身ぶりとことばで表現してもらいました。
今回出品された3点のうち2点「
36 months in NYC(Silent Breath-Speak)」「36 months in NYC(Silent Breath-Hand Movement)」は、01年と04年のおなじ人の映像を横に並べて編集したものです。04年に連絡のつかなかった人のところは、空白になっています。
もちろん、題材が題材ですから
「3年ぶり! わー、なつかしい」
という雰囲気ではありません。
思えば、池田さんの作品は、地球環境というのがわかりやすいテーマなのですが、もうひとつ、あまり目立たないテーマとして
「時の経過」
というのがあると思うんですね(越後妻有は、まさにそれ)。
依然として重苦しい表情をしている人もあれば「今まで生きてきた中でいちばんうまくいっている」と快活に語る男性もおり、それぞれにとっての「3年間」は、相異なったものなのだなあとしみじみ感じました。
さて、もう1点のビデオ「Silent Breath New York with Masks」(2001年)は、池田さんがもう10年ほども作品の素材にしているマスクを、ニューヨークの街角のあちこちに掛けていくという、わかりやすいもの。
動物の彫像の尾、落書きだらけの壁、歩行者用トンネル、階段の手すり、芝生…。
池田さんもマスクも神出鬼没。地球と命への警告を発しています。
ただ、これらの作品は、すでに弘文堂画廊やテンポラリースペースで発表済みなのではないでしょうか。
筆者はいずれも見逃していたので、とても興味深く見ましたが、もし一度見た作品だったら、いささかガッカリだと思います。
ほかの出品者は、久藤エリコ、佐野由美子、高坂光尚、高田K子、山田良の5氏。
佐野、久遠、山田の3氏は札幌在住。久遠さんは帯広出身のようですが、のこる2人は出身地の表示がなく、どういうつながりでこの展覧会に出品しているのか、分からずじまいでした。
08年1月24日(木)-2月3日(日)9:30-17:00(入場-16:30)、月曜休み
道立文学館(中央区中島公園)
一般500円、高校大学生300円、中学生以下・65歳以上無料
なお、ホシビル(帯広市西2南9)でも同時開催されています。
●12月22日(土)-2月17日(日)10:30-19:00、木曜休み、佐藤健吾エリオ、鈴木隆、高坂光尚、高田K子ほか
●妄想の森映画祭=2月2日(土)13:00-18:00
●村上知亜砂ニードル・ワークショップ=2月2日(日)=原文ママ=11:00-15:00
□池田緑さんのサイト http://www.ima.me-h.ne.jp/~ikeda.midori/
■池田さんがあおもり国際版画ビエンナーレで入賞
■「越後妻有トリエンナーレ」の池田さんの作品
■十勝千年の森=水脈の森・万象の微風 自然=人間=大地=(03年)
■池田緑展(02年、道立帯広美術館)
■池田緑展のアーティストトーク(同)
■池田緑展、屋外作品の写真(同)
■とかちの環境アート(同)
□田園都市のコンテンポラリーアート・ブログ http://www.voluntary.jp/weblog/myblog/273
「とかちのアートを考える会」は、この地で日々を生活する「作成者」と「鑑賞者」の緩やかな集まりです。先人たちの努力により開拓された十勝の大地の恵みを、アートを通して再確認し、文化性豊かな地域に開かれることを目指しています。今回のプログラムは、2002年度に帯広競馬場で実施された『とかち国際現代アート展デメーテル』会期中に発足した「デメーテル学校」の継続に取り組む市民と、会期終了後に誕生した帯広アートシーンの新たな拠点「FLOWMOTION」というカフェが企画実施をサポートしています。
「考える会」は、「田園都市…」の主催団体。
つまり、2002年の国際展「デメーテル」で高まりを見せた現代美術への関心を継続させていこう-と、帯広を舞台につづいているグループ展というわけです。
札幌での開催は初めてだと思います。
ちなみに、アサヒビール芸術文化財団が助成しているようです。
どうしてギャラリーなどではなく、文学館が会場になったか、理由はなんとなく察しがつきますが、ここではふれません。
ただ、筆者は、札幌市内のギャラリーなどではポスターやフライヤーを一度も見かけませんでした。
先週末の道新に出ていたので、それを見て足を運んだ人もいたかもしれませんが…。
このうち、池田さんは、2006年の国際美術展「越後妻有(つまり)トリエンナーレ」に出品するなど、国内外で幅広く活躍しています。
今回は映像作品3点を出品しました。
池田さんが、北海道文化財団海外派遣芸術家としてニューヨークに滞在中の2001年、同時テロが起きました。
衝撃を受けた池田さんはテロ直後の01年10月、モノクロの映像作品を制作しました。新聞広告で募集した36人に、テロを、身ぶりと短い言葉で表現してもらったのです。
その後、04年には文化庁特別派遣芸術家在外研修員としてふたたびニューヨークに滞在。01年、映像に登場した36人のうち所在をつかむことができた14人に集まってもらい、再度、身ぶりとことばで表現してもらいました。
今回出品された3点のうち2点「
36 months in NYC(Silent Breath-Speak)」「36 months in NYC(Silent Breath-Hand Movement)」は、01年と04年のおなじ人の映像を横に並べて編集したものです。04年に連絡のつかなかった人のところは、空白になっています。
もちろん、題材が題材ですから
「3年ぶり! わー、なつかしい」
という雰囲気ではありません。
思えば、池田さんの作品は、地球環境というのがわかりやすいテーマなのですが、もうひとつ、あまり目立たないテーマとして
「時の経過」
というのがあると思うんですね(越後妻有は、まさにそれ)。
依然として重苦しい表情をしている人もあれば「今まで生きてきた中でいちばんうまくいっている」と快活に語る男性もおり、それぞれにとっての「3年間」は、相異なったものなのだなあとしみじみ感じました。
さて、もう1点のビデオ「Silent Breath New York with Masks」(2001年)は、池田さんがもう10年ほども作品の素材にしているマスクを、ニューヨークの街角のあちこちに掛けていくという、わかりやすいもの。
動物の彫像の尾、落書きだらけの壁、歩行者用トンネル、階段の手すり、芝生…。
池田さんもマスクも神出鬼没。地球と命への警告を発しています。
ただ、これらの作品は、すでに弘文堂画廊やテンポラリースペースで発表済みなのではないでしょうか。
筆者はいずれも見逃していたので、とても興味深く見ましたが、もし一度見た作品だったら、いささかガッカリだと思います。
ほかの出品者は、久藤エリコ、佐野由美子、高坂光尚、高田K子、山田良の5氏。
佐野、久遠、山田の3氏は札幌在住。久遠さんは帯広出身のようですが、のこる2人は出身地の表示がなく、どういうつながりでこの展覧会に出品しているのか、分からずじまいでした。
08年1月24日(木)-2月3日(日)9:30-17:00(入場-16:30)、月曜休み
道立文学館(中央区中島公園)
一般500円、高校大学生300円、中学生以下・65歳以上無料
なお、ホシビル(帯広市西2南9)でも同時開催されています。
●12月22日(土)-2月17日(日)10:30-19:00、木曜休み、佐藤健吾エリオ、鈴木隆、高坂光尚、高田K子ほか
●妄想の森映画祭=2月2日(土)13:00-18:00
●村上知亜砂ニードル・ワークショップ=2月2日(日)=原文ママ=11:00-15:00
□池田緑さんのサイト http://www.ima.me-h.ne.jp/~ikeda.midori/
■池田さんがあおもり国際版画ビエンナーレで入賞
■「越後妻有トリエンナーレ」の池田さんの作品
■十勝千年の森=水脈の森・万象の微風 自然=人間=大地=(03年)
■池田緑展(02年、道立帯広美術館)
■池田緑展のアーティストトーク(同)
■池田緑展、屋外作品の写真(同)
■とかちの環境アート(同)
□田園都市のコンテンポラリーアート・ブログ http://www.voluntary.jp/weblog/myblog/273