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札幌の中央バスターミナル地下「自由空間」が閉鎖の見通し

2018年02月23日 21時43分30秒 | 情報・おしらせ
 中央バスターミナル(札幌市中央区北1東1)の地下にあるギャラリースペース「自由空間」では現在、藤女子大学をこの春卒業する、篠原奈那子さんの卒業写真展「繫ぎ」が開かれていますが、この写真展が、最後の展示になる可能性が出ています。

 ターミナルの地下はそばやカレー、ラーメンなど、昭和レトロな雰囲気の飲食店が軒を連ねていますが、その一角が2004年末からギャラリースペースとして使われています(2005年3月26日付読売新聞北海道版コラム「しまふくろう」=早川季良さん執筆=による)。
 いかにも古いビルの空きスペースという感じで、仕切り壁やスポットなどもない簡素なスペース。芳名帳を置く長テーブルだけが、ギャラリーらしさを感じさせます。
 したがって、大御所の個展などにはほとんど使われず、デッサンのグループ展などが多かったです。会期が1カ月以上と長かったのが特徴です。

 2016年5月、おなじフロアにあった「喫茶レ・ノール」の経営を、ギャラリーたぴお2代目オーナーだった美術家の林教司さんが引き継ぎ、自由空間のとりまとめ役も引き受けたため、その後は、「たぴお」で定期的に開かれていたグループ展が、そのまま開催されたこともありました。いわば「たぴお色」が強まったともいえます。
 しかし、昨年秋に林さんが急逝し、レ・ノールも閉店したことから、自由空間も行方が注目されていました。

 中央バスターミナルや北海道電力本社の附近は、いずれも築50年以上たっていることから、再開発の話も浮上しています。
 いまの大通公園の景観は、北電が低層の建物だからテレビ塔が引き立って美しく見えているのですが、北海道民は道庁赤れんがの背後に巨大な道警本部を建ててしまう美意識の低さが持ち味なので、北電もテレビ塔の背後に大きな社屋を建設して、景観をぶちこわしてしまうかもしれません。いまから心配しても仕方ないですが。

 それはともかく、朝早くから夜遅くまで開いていることが多かったので、寄りやすい会場でした。
 ほんとうに閉まるのだとしたら残念です。




 というか、このほかにも、中央区の某美術館や某ギャラリーなど複数の施設で閉鎖のうわさが流れており、21世紀初頭まで拡大の一途だった札幌のギャラリー事情は、2015年あたりからすっかり潮目が変わってしまったんだなあと、しみじみ思います。


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