恒例の修士課程終了展。
今回は、油彩が4人、7点。金属の立体が1人、1点。映像が1人、1点という内訳です。
金属は、昨年12月に北広島市でひらかれた3人展などでパワフルな造形感覚を見せた松田郁美さんが「雲間」を出品しています。
おなじ長さの棒をおびただしく連ねて球体とした力作です。型破りというよりはシンプルな美を感じます。
油彩については、教育大の油彩研究室には以前から「リヒターをどう消化するか」という裏テーマのような伝統?があるとニランでいるのですが、今回も、そういう問題意識がどこかに感じられる作品がならんでいるような気がします(筆者自身あまりよくわかってないのでつっこまないように。笑)。
いいかえれば、「写真の登場後にものを描写する」とはどういうことなのか、あらためて考えてみたような絵が多いように思うのです。
松尾道行さんの、200×340センチという大作「order」も、青空と白い雲を描いた牧歌的な絵画などではなく、うつろい、とらえがたいモティーフをどう画面という時間のない平面に定着させるのか-というところがミソなのではないでしょうか。
大野恵理さん「Tokyo/Pari」も、はなはだしくフォーカスの甘い夜景の写真にも似た作品。道路の向こうにあるかたまりは、凱旋門のようにも見えますが、ぜんぜん関係ない建造物かもしれません。
フォトリアリズムでも情緒的な風景画でもない地点で、どう「見ること」を組み立て、再建していくのか。そこが問われているんだと思います。それと「Paris」でなく「Pari」というのも気になりました。
08年2月4日(月)-9日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)
今回は、油彩が4人、7点。金属の立体が1人、1点。映像が1人、1点という内訳です。
金属は、昨年12月に北広島市でひらかれた3人展などでパワフルな造形感覚を見せた松田郁美さんが「雲間」を出品しています。
おなじ長さの棒をおびただしく連ねて球体とした力作です。型破りというよりはシンプルな美を感じます。
油彩については、教育大の油彩研究室には以前から「リヒターをどう消化するか」という裏テーマのような伝統?があるとニランでいるのですが、今回も、そういう問題意識がどこかに感じられる作品がならんでいるような気がします(筆者自身あまりよくわかってないのでつっこまないように。笑)。
いいかえれば、「写真の登場後にものを描写する」とはどういうことなのか、あらためて考えてみたような絵が多いように思うのです。
松尾道行さんの、200×340センチという大作「order」も、青空と白い雲を描いた牧歌的な絵画などではなく、うつろい、とらえがたいモティーフをどう画面という時間のない平面に定着させるのか-というところがミソなのではないでしょうか。
大野恵理さん「Tokyo/Pari」も、はなはだしくフォーカスの甘い夜景の写真にも似た作品。道路の向こうにあるかたまりは、凱旋門のようにも見えますが、ぜんぜん関係ない建造物かもしれません。
フォトリアリズムでも情緒的な風景画でもない地点で、どう「見ること」を組み立て、再建していくのか。そこが問われているんだと思います。それと「Paris」でなく「Pari」というのも気になりました。
08年2月4日(月)-9日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)