全国的な公募美術団体・春陽会の会友に推挙されるなど進境著しい札幌の奥山さんが50歳の節目に個展を開いています。
会場の札幌時計台ギャラリーのサイトにご本人が
「見る人も自分自身も安らぎを得られるような作品になることを願いつつ、ゆっくりペースで日々制作を続けています。」
と書いておられるとおり、見ていると、とても心が和みいやされる絵がならんでいます。
奥山さんの絵は、大きく描かれた人物に、建物などが生えているように附着しているのが特徴です。
「ウタカタ」で中央の人物は、ひざをかかえて丸くなっています。胎児が安らいでいるような姿勢にも見えます。
「日々」は、画面上方に女性が、下方に男性が横たわっています。女性からは街がぶらさがり、男性の顔や胴体の上にもビルや木、自動車などがのっかっています。
女性は白いTシャツに水色のエプロン、男性は白いシャツに青系のズボンという服装で、二人の間には水色の空が広がり、街並みも白-というぐあいに、全体は寒色で統一されています。ただし、下塗りにはオレンジなどの色が使われており、全体的には単調な色合いにおちいっていません。寒色で、北方らしい風土性を感じさせながらも、どこかあたたかみをおぼえるのは、丁寧な下地のおかげだと思います。
「方舟」は、丸い帽子をかぶったコート姿の男性が、建物をいくつも載せた皿のようなものを両手でささげ持っている絵柄。
建物は、北大第二農場で取材したものですが、こういう舞台装置で見ると、別の味わいがあります。
丸い帽子は、奥山さんによると、宮沢賢治の晩年の写真に由来しているものだそうです。
「あの写真を見ると、賢治はなにを考えながら農場を歩いていたんだろうと思う。自分のことか、農民にあしたどうやって教えようかとか…」
奥山さんの絵では、或る作品で望遠鏡をのぞいている人物が片目をあけているのを例外として、すべての人が目をおだやかに閉じています。
じぶん自身に沈潜しつつ、はるかな世界へと思いを馳せているような、そんな表情です。
08年8月25日(月)-30日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)
会場の札幌時計台ギャラリーのサイトにご本人が
「見る人も自分自身も安らぎを得られるような作品になることを願いつつ、ゆっくりペースで日々制作を続けています。」
と書いておられるとおり、見ていると、とても心が和みいやされる絵がならんでいます。
奥山さんの絵は、大きく描かれた人物に、建物などが生えているように附着しているのが特徴です。
「ウタカタ」で中央の人物は、ひざをかかえて丸くなっています。胎児が安らいでいるような姿勢にも見えます。
「日々」は、画面上方に女性が、下方に男性が横たわっています。女性からは街がぶらさがり、男性の顔や胴体の上にもビルや木、自動車などがのっかっています。
女性は白いTシャツに水色のエプロン、男性は白いシャツに青系のズボンという服装で、二人の間には水色の空が広がり、街並みも白-というぐあいに、全体は寒色で統一されています。ただし、下塗りにはオレンジなどの色が使われており、全体的には単調な色合いにおちいっていません。寒色で、北方らしい風土性を感じさせながらも、どこかあたたかみをおぼえるのは、丁寧な下地のおかげだと思います。
「方舟」は、丸い帽子をかぶったコート姿の男性が、建物をいくつも載せた皿のようなものを両手でささげ持っている絵柄。
建物は、北大第二農場で取材したものですが、こういう舞台装置で見ると、別の味わいがあります。
丸い帽子は、奥山さんによると、宮沢賢治の晩年の写真に由来しているものだそうです。
「あの写真を見ると、賢治はなにを考えながら農場を歩いていたんだろうと思う。自分のことか、農民にあしたどうやって教えようかとか…」
奥山さんの絵では、或る作品で望遠鏡をのぞいている人物が片目をあけているのを例外として、すべての人が目をおだやかに閉じています。
じぶん自身に沈潜しつつ、はるかな世界へと思いを馳せているような、そんな表情です。
08年8月25日(月)-30日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)