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■川俣正テトラハウス326 アーカイブ展 (5月24日まで)

2009年05月21日 21時39分20秒 | 展覧会の紹介-現代美術
(日本語は英文の後にあります)

Tadashi Kawamata TETRA HOUSE 326 project archive exhibition.
Many young men and women took part in this project in 1983,Sapporo city.
This exhibition looks back Kawamata's only one works in Hokkaido by photographs,books,and magazines.

 川俣正さんは、1980年代以降の現代美術の世界で、最もめざましい活躍をみせている日本人アーティストのひとりです(現在の拠点はパリ)。
 世界を代表する国際美術展「ドクメンタ」に20代で参加、その後も欧米や国内で数々のプロジェクトに取り組む一方、第2回横浜トリエンナーレのプロデュースも行っています。

 ただし、三笠生まれなのですが、意外にも道内での本格的な取り組みは、1983年に札幌で展開したテトラハウス・プロジェクトのみ。
 住宅地にある普通の民家をおびただしい材木で取り囲み、一定期間が過ぎると元に戻す-というもので、都市景観を「異化」する川俣氏らしい取り組みでした。
 
 このプロジェクトの現場は、中央区北3西26。
 すぐ近くに、いまはtemporary spaceを主宰している中森敏夫さんの花器店があり、中森さんもさまざまなかたちでかかわります。さらに、当時道特会館にあった「ギャラリーレティナ」なども関聨会場となり、シンポジウムが行われました。
 このプロジェクトと、一帯が1981年の水害に見舞われたことが、伝説のアートイベント「界川游行」につながった-と、中森さんは振り返っています。







 当時のスナップ写真を見ると、アトリエが現場近くにあった版画家、美術家の艾沢(よもぎさわ)詳子さんや、ギャラリーユリイカの鈴木葉子さん、評論家の柴橋伴夫さんなど、知った顔もちらほら。みなさん、若い(あたりまえだ)。
 

           


 現代美術の記録者として名高い安斎重男氏や、美術ジャーナリストとして現在いろいろなメディアで活躍している村田真氏も東京から駆けつけたこのプロジェクトは、「北海道の中だけで完結している」という印象がどうもぬぐえない(なーんて、ひとごとみたいに筆者が言ってる場合ではないんですけど)近年の札幌の現代アートシーンを思うと、なかなか劃期的な「事件」だったのだなあーと、いまさらのように感じるのです。
 っていうか、これほど、東京と北海道の美術界がおたがい無関心、無関係になってるのって、めずらしいと思うんですけど。気のせいでしょうかね。


2009年5月12日(火)-24日(日)11:00-19:00
temporary space(北区北16西5 地図H)


□Tadashi Kawamata http://www5a.biglobe.ne.jp/~onthetab/

三笠出身の美術家 川俣さんが講座 (2008年7月)
川俣正展(2001年)


・地下鉄南北線「北18条」駅から徒歩5分
・中央バス、ジェイアール北海道バス「北18西5」から徒歩3、4分(札幌駅北口発の「屯田線」のほか、小樽行き都市間高速バスの北大経由便でも可)


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