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ことし(2012年)8月、北海道新聞夕刊のオホーツク面に「野外彫刻の旅」という小さな連載を掲載したことについては、9月の同題のエントリで記した。
そのエントリで、まだこのブログでは紹介していない彫刻作品がいくつかあるので、順次アップしていく-と書いておきながら、何にもしてこなかった。ごめんなさい。
ということで、まず、戦後日本を代表する具象彫刻家のひとりで、野外彫刻のパイオニアとしても活躍した札幌出身の本郷新
の「オホーツクの塔」。
作品もすばらしいが、立地が雄大で、一度は訪れる価値があると思う。
場所は、オホーツク海に突き出た能取岬。
残念ながら、能取岬に行くには、路線バスはない。
道道網走公園線を車で進むのが唯一の手段だ。
国道238号から分かれる道道網走公園線は、二見ケ岡から能取湖沿いに行っても、網走市街地からオホーツク海寄りに行っても、岬まで10キロほどある。
その駐車場からさらに数分、舗装されていない細い道を歩いた岬の突端にある。
筆者が行ったときは、ちょうど夕暮れ時で、鏡のように静かな湖面に太陽とあかね色の空が反射するさまは、荘厳なまでに美しかった。
岬の周辺には、人家は全くない。
あるのは牧場と、灯台。
岬の突端にはイタドリが生い茂っている。
そういう孤独な場所に、雄々しく立っているのが、本郷新の像である。
北洋漁業を切り開いた先人をたたえる目的で、網走の経済人たちがお金を出し合い、建立したもののようである。
1978年の設置。裏側の銘文には「水産日本の発展を希求」とある。
網を肩にかけ、鋭い視線で遠くを見やる漁師の姿は、りりしく、かっこいいと思う。
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背後の海には、真冬になると流氷が押し寄せるのだろう。
日本でも有数な「ワイルドなロケーション」にある野外彫刻かもしれない。
流氷の季節にもう一度見てみたい作品だ。
なお、とてもじゃないけどこんな遠くまで行けないという向きには、漁師とサケのエスキスが「オホーツク海」「大漁」の題で、網走市立美術館の前にあるので、そこで鑑賞するのも手だろう。
関連する記事へのリンク
魚の彫刻を正面から見るとヘンな顔になっている件について
本郷新「三輪龍揚像」「小林篤一像」
本郷新「オホーツク海」
宮の森緑地で
■独創性への道標-ロダン・高村光太郎・本郷新展(2009年、画像なし)
札幌市西区・宮の森緑地(Miyanomori-greenhill,Sapporo)
本郷新「石川啄木像」 釧路の野外彫刻(11)
本郷新「釧路の朝」 釧路の野外彫刻(9)
本郷新「道東の四季 冬」 釧路の野外彫刻(6)
南部忠平顕彰碑
「北の母子像」本郷新
札幌・宮の森緑地 (鳥を抱く女、太陽の母子)
■網走の野外彫刻
本郷新「奏でる乙女」
そのエントリで、まだこのブログでは紹介していない彫刻作品がいくつかあるので、順次アップしていく-と書いておきながら、何にもしてこなかった。ごめんなさい。
ということで、まず、戦後日本を代表する具象彫刻家のひとりで、野外彫刻のパイオニアとしても活躍した札幌出身の本郷新
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の「オホーツクの塔」。
作品もすばらしいが、立地が雄大で、一度は訪れる価値があると思う。
場所は、オホーツク海に突き出た能取岬。
残念ながら、能取岬に行くには、路線バスはない。
道道網走公園線を車で進むのが唯一の手段だ。
国道238号から分かれる道道網走公園線は、二見ケ岡から能取湖沿いに行っても、網走市街地からオホーツク海寄りに行っても、岬まで10キロほどある。
その駐車場からさらに数分、舗装されていない細い道を歩いた岬の突端にある。
筆者が行ったときは、ちょうど夕暮れ時で、鏡のように静かな湖面に太陽とあかね色の空が反射するさまは、荘厳なまでに美しかった。
岬の周辺には、人家は全くない。
あるのは牧場と、灯台。
岬の突端にはイタドリが生い茂っている。
そういう孤独な場所に、雄々しく立っているのが、本郷新の像である。
北洋漁業を切り開いた先人をたたえる目的で、網走の経済人たちがお金を出し合い、建立したもののようである。
1978年の設置。裏側の銘文には「水産日本の発展を希求」とある。
網を肩にかけ、鋭い視線で遠くを見やる漁師の姿は、りりしく、かっこいいと思う。
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背後の海には、真冬になると流氷が押し寄せるのだろう。
日本でも有数な「ワイルドなロケーション」にある野外彫刻かもしれない。
流氷の季節にもう一度見てみたい作品だ。
なお、とてもじゃないけどこんな遠くまで行けないという向きには、漁師とサケのエスキスが「オホーツク海」「大漁」の題で、網走市立美術館の前にあるので、そこで鑑賞するのも手だろう。
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本郷新「オホーツク海」
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本郷新「道東の四季 冬」 釧路の野外彫刻(6)
南部忠平顕彰碑
「北の母子像」本郷新
札幌・宮の森緑地 (鳥を抱く女、太陽の母子)
■網走の野外彫刻
本郷新「奏でる乙女」