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置戸ぽっぽ絵画館のような施設がなぜできるのか、考えてみた

2013年01月22日 20時40分29秒 | つれづれ日録
承前

 置戸ぽっぽ絵画館であらためておどろいたのは、この国の美術人口の多さであった。
 いや、この施設だけから判断するのはまずいかもしれないけれど、日本にはたくさんの美術家養成機関(学校)があり、多くの美術家がいるということだ。
 それは、国立新美術館や東京都美術館で年中開催されている団体公募展の数からしてもわかる。

 例えば、文学者や演劇関係者を育てたり、映画の現場で働く人々を養成したりする大学などの数に比べれば、美術家を養成する大学、およびその卒業生が、際立って多いということは、議論の余地がない。
 理由はよくわからないが、音楽や美術は、文学や映画よりも技術(スキル)の占める割合が高いと思われているのかもしれない。

 毎年、団体公募展の会場には、100号クラスのカンバスが何十枚、何百枚と並ぶ。
 しかし、こんなことを書くと作家・出品者の皆さんから猛反発を食らいそうだが、それらの99%は、誰からも買われることはない。地方の自治体などが寄贈を受けてくれれば上出来なほうで、大半は作者の死後に粗大ごみとなる。
 いや、それ以前の話、日本の住宅事情では、生前から保管場所に四苦八苦している人は多いと思われる。

 保管場所については、江別の作家の間で、江別市内にいくつか存在する倉庫やれんが工場跡などを、使わせてほしいという動きがあった。

 筆者は、置戸ぽっぽ絵画館に寄せられた作品の作者についてよく知らないので、作家たちが保管場所にこまっているかどうかなどについては、言明することはできない。本州の美術市場は北海道とよほど異なっていて、手元に作品がたまらないほど次から次へと売れている作家もいるのかもしれない。ここらへんは断言はできない。
 ただ、そういう売れっ子ばかりだとも思えない。

 さて、今後、保管場所に悩む画家からどんどん絵画が送られてきたら、置戸町の有志はどうするだろう。
 たしかに保管コストは大都市よりもはるかに安いだろう。
 しかし、「次」のことは、考えておかなくてはなるまい。

 
□置戸ぽっぽ絵画館のサイト http://oketoart.web.fc2.com/


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2 コメント

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許可お願い (宮坂祐次)
2015-10-17 07:04:20
突然済みません。お「「置戸ぽっぽ絵画館」に関わっている宮坂と申します。この11月1日から開館3周年記念として展覧会をするためにフライヤーを作っているのですが、デザイナーが裏面の作家名を入れた背景に貴誌が掲載した線路の写真がうっすらと使っていますが、是非ともこの写真を使わせて頂きたくここにお願いします。今まではどこかの線路の写真を使ったと思っていました。宜しくご判断をお願いします・
miyasaka@msf.biglobe.ne.jp宮坂です
返信する
宮坂様へ (ねむいヤナイ@北海道美術ネット別館)
2015-10-17 12:05:35
基本的には出典さえ表記していただければOKなのですが、どの写真なのか教えてください。
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