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苫小牧市も美術品購入予算ゼロ

2010年06月08日 22時11分57秒 | 新聞などのニュースから
 北海道新聞2010年6月2日、苫小牧・胆振東部版から。

 苫小牧市博物館は所蔵美術資料の概況をまとめた。所蔵1080点のうち購入品は171点で、残る909点は美術愛好家らの寄贈品。市が美術品収集を始めて40年余りとなるが、購入費は累計3千万円で、財政難で2004年度以降は予算ゼロ。市教委は博物館に美術館を併設して開設する方針を示しているが、郷土ゆかりの作品収集もままならない状態だ。

 同館の藤原康成主任学芸員がまとめ、3月付の「館報」第7号に掲載した。

 今年2月末現在の収蔵品は油彩462点、版画360点、書跡72点、日本画61点など。油彩のうち最も多いのは苫小牧画壇のリーダー的存在だった遠藤ミマン(1913~2004年)の28点。版画は、日本を代表する版画家で、疎開で滞在し、旧制苫小牧中(現苫小牧東高)の教壇に立った川上澄生(1895~1972年)の110点が群を抜く。

 購入品は苫小牧関係の作家の作品のほか、地元の風景や風物を題材にしたもの。ただ、7年連続ゼロ計上で、新たな収蔵は寄贈に頼っているのが現状だ。

 また、博物館の収蔵庫不足も悩み。定温、定湿度の収蔵庫は、ほぼ満杯状態。美術館を併設するにしても、展示スペースはもとより、収蔵スペースの検討が必須といえそうだ。


 じつはいま、苫小牧市の市長選が迫っていて、現職の市長が2期目をめざして出馬するに当たって、美術館の建設を公約に掲げているんですね。

 苫小牧市は札幌圏以外の道内でほぼ唯一、人口が増えている市で、帯広を上回る17万人余りが住んでいます。このペースだと、近いうちに釧路市を抜いて、道内第四の都市に躍り出ることは確実です。こうなると、美術館もほしくなりますよね。
 川上澄生が常設で見られたら楽しいなあ。財政的には厳しいんだろうけど、トヨタ系の工場があるなど、道内の他都市に比べれば、環境は恵まれていると思います。

 市町村の美術品購入費がほとんどゼロに近い水準に落ち込んでいるのは、もう十年以上も前からの話。
 逆に、苫小牧市が2003年度まで予算がついていたことに、びっくりです。


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