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藤沢レオ「知ル」 ハルカヤマ藝術要塞

2011年12月21日 22時08分37秒 | 展覧会の紹介-現代美術
承前

 Leo Fujisawa “To Know”


 というわけで、今回の「ハルカヤマ藝術要塞」の事実上の「トップバッター」は、この藤沢レオさんのインスタレーション「知ル」ということになる。

 藤沢さんは苫小牧市の西の端、樽前地区にアトリエを構え、実用的な金属工芸と、インスタレーションによる現代美術の両方に取り組んでいる。
 また、毎年「樽前Arty」というイベントを主催するなど、活動は幅広い。

 今回の「知ル」は、ことしの「樽前Arty」で行われた美術展「記憶の循環」出品作の延長線上にあるものといえる。
 幹に取り付けられた赤い点や、それらがもたらす空間よりも、それに気づくまでのプロセスがおそらくこの作品のキモなのではないか。
 ただ、「記憶の循環」のときは、林の中でとつぜん作品の存在に気付き、しかも気づいたとたん、それがどんどん視野の中で増殖していく-という絶妙の仕掛けがあった。
 今回は、それはなかった。

 したがって、「記憶の循環」展を見ていない人が、それに比べてはるかに小ぶりな今回の展示を見て、作者の意図が分かったかどうかは、正直なところ、かなり心もとないと思う。




 しかし、筆者が藤沢さんを評価するのは、けっきょくのところ、彼の作品に
「生きるとは何か、『在る』とはどういうことか」
という哲学的な問いが内在しているからだと思う。
 そして、それは
「現代思想っぽい要素を盛り込んでおけばカッコイイだろうな」
というような、表層的なものでは全くなくて、彼が心の底から疑問に思い、考え続けている問いなのではないだろうか。





http://homepage.mac.com/reof/

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