(承前)
Leo Fujisawa “To Know”
というわけで、今回の「ハルカヤマ藝術要塞」の事実上の「トップバッター」は、この藤沢レオさんのインスタレーション「知ル」ということになる。
藤沢さんは苫小牧市の西の端、樽前地区にアトリエを構え、実用的な金属工芸と、インスタレーションによる現代美術の両方に取り組んでいる。
また、毎年「樽前Arty」というイベントを主催するなど、活動は幅広い。
今回の「知ル」は、ことしの「樽前Arty」で行われた美術展「記憶の循環」出品作の延長線上にあるものといえる。
幹に取り付けられた赤い点や、それらがもたらす空間よりも、それに気づくまでのプロセスがおそらくこの作品のキモなのではないか。
ただ、「記憶の循環」のときは、林の中でとつぜん作品の存在に気付き、しかも気づいたとたん、それがどんどん視野の中で増殖していく-という絶妙の仕掛けがあった。
今回は、それはなかった。
したがって、「記憶の循環」展を見ていない人が、それに比べてはるかに小ぶりな今回の展示を見て、作者の意図が分かったかどうかは、正直なところ、かなり心もとないと思う。
しかし、筆者が藤沢さんを評価するのは、けっきょくのところ、彼の作品に
「生きるとは何か、『在る』とはどういうことか」
という哲学的な問いが内在しているからだと思う。
そして、それは
「現代思想っぽい要素を盛り込んでおけばカッコイイだろうな」
というような、表層的なものでは全くなくて、彼が心の底から疑問に思い、考え続けている問いなのではないだろうか。
□http://homepage.mac.com/reof/
【告知】Approach デザインとアートの接近(2011年11月)
■記憶の循環(2011年8月)
【告知】藤沢レオ小品展 Le Auction vol.2
■500m美術館 (2010年)
■アートとの対話~森迫暁夫&藤沢レオの場合~ 鉄筋布張り住宅(2010年9~10月)
■水脈の肖像09-日本と韓国、二つの今日 (2009年12月)
■国松希根太・伴翼・藤沢レオ「ある」(2009年3月。執筆途中)
■法邑芸術文化振興会企画展〔滲-shin-〕(2008年)
■法邑芸術文化振興会企画展〔滲-shin-〕=品品法邑
■ART BOX 札幌芸術の森・野外ステージ
■藤沢レオ-パサージュ
■鉄 強さとやさしさの間で(07年12月、画像なし)
■藤沢レオ展(07年)
Leo Fujisawa “To Know”
というわけで、今回の「ハルカヤマ藝術要塞」の事実上の「トップバッター」は、この藤沢レオさんのインスタレーション「知ル」ということになる。
藤沢さんは苫小牧市の西の端、樽前地区にアトリエを構え、実用的な金属工芸と、インスタレーションによる現代美術の両方に取り組んでいる。
また、毎年「樽前Arty」というイベントを主催するなど、活動は幅広い。
今回の「知ル」は、ことしの「樽前Arty」で行われた美術展「記憶の循環」出品作の延長線上にあるものといえる。
幹に取り付けられた赤い点や、それらがもたらす空間よりも、それに気づくまでのプロセスがおそらくこの作品のキモなのではないか。
ただ、「記憶の循環」のときは、林の中でとつぜん作品の存在に気付き、しかも気づいたとたん、それがどんどん視野の中で増殖していく-という絶妙の仕掛けがあった。
今回は、それはなかった。
したがって、「記憶の循環」展を見ていない人が、それに比べてはるかに小ぶりな今回の展示を見て、作者の意図が分かったかどうかは、正直なところ、かなり心もとないと思う。
しかし、筆者が藤沢さんを評価するのは、けっきょくのところ、彼の作品に
「生きるとは何か、『在る』とはどういうことか」
という哲学的な問いが内在しているからだと思う。
そして、それは
「現代思想っぽい要素を盛り込んでおけばカッコイイだろうな」
というような、表層的なものでは全くなくて、彼が心の底から疑問に思い、考え続けている問いなのではないだろうか。
(この項続く)
□http://homepage.mac.com/reof/
【告知】Approach デザインとアートの接近(2011年11月)
■記憶の循環(2011年8月)
【告知】藤沢レオ小品展 Le Auction vol.2
■500m美術館 (2010年)
■アートとの対話~森迫暁夫&藤沢レオの場合~ 鉄筋布張り住宅(2010年9~10月)
■水脈の肖像09-日本と韓国、二つの今日 (2009年12月)
■国松希根太・伴翼・藤沢レオ「ある」(2009年3月。執筆途中)
■法邑芸術文化振興会企画展〔滲-shin-〕(2008年)
■法邑芸術文化振興会企画展〔滲-shin-〕=品品法邑
■ART BOX 札幌芸術の森・野外ステージ
■藤沢レオ-パサージュ
■鉄 強さとやさしさの間で(07年12月、画像なし)
■藤沢レオ展(07年)