北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

■郷土作家作品展 森健二展 壮年の十勝(9月7日まで)

2008年08月28日 23時59分14秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 一昨年、札幌から千葉県に転居した画家の森さん。
 もう道内で作品を見る機会はあまりないのではないかと危ぶんでいましたが、生まれ故郷の十勝管内清水町に作品を寄託したため、意外と早く出合うことができました。
 しかも、筆者が1980年代の作品をまとめて見るのはこれが初めて。宇宙や星群を思わせる90年代以降の絵とは違った魅力があり、おもしろかったです。

 題はすべて「光年の導べ」で、大作21点が展示されています。
 森さんは当時、帯広に住んで活動していました。

 近作と最も異なるのは、直線が多用されていること。四角の連なりが、色の飛沫と重なり合い、豊かなリズムを感じさせました。
 まあ、当時会員だったモダンアート展っぽいといえば、いえなくもないですが。

 会場となっている体育館の、向かって右側の壁には、縦長の絵がならんでいます。青系が主体ですが、暗い中に点がちらばっているのは、たしかに、森さんが放火にあって焼け跡で星空を見た-というエピソードを思い出させます。

 この展覧会のもうひとつの特徴は、この時代の森さんが取り組んでいた公共施設の壁画や緞帳の写真が紹介されていること。
 「十勝の風土と未来を考える美術家会議」を結成し、十勝合同庁舎や帯広市アイスアリーナの陶壁画などに取り組んでいたのでした。
 十勝は、現代アートの屋外展示が現在も行われており、美術家と社会の距離が近いという印象があるのですが、その萌芽はこの時代にあったのでしょうか。

 
08年8月13日(水)-17日(日)、23日(土)、24日(日)、30日(土)、31日(日)、9月6日(土)、7日(日)11:00-17:00
きたくま文化蔵 (十勝管内清水町熊牛)




・道道帯広新得線を、新得町屈足地区から南下、あるいは清水町市街地から北上し、焼肉屋の背の高い看板が立っている交叉点から西側に曲がってすぐ。

・拓殖バスで新得駅前から鹿追、然別湖方面に乗り「27号」で降車、徒歩40分(ただし、土・日曜はほとんどの便が運休しているので、意味がない)
・十勝清水駅から約10キロ
・神田日勝記念美術館から約9キロ


http://morikenji.jp/

06年の個展

□06年の個展時の公式ブログ http://www.mytokachi.jp/moriken/


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。