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■第三次 地下之会展 たぴお礼讃 (2016年3月14~19日、札幌) ※一部改稿してます

2016年03月19日 01時23分45秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
  
 「アングラ」を標榜するグループによる、たぴおでは3度目となる展覧会。

 来月末で閉まるギャラリーたぴおへの思いがこめられたタイトルになっている。

 17人が、イラスト、絵画、インスタレーション、人形、書、写真などを出品している。会場に流れている電子音楽もオリジナルである(会場でCDを販売している)。
 これほどバラエティーに富んだ種類の作品が集まるグループ展は珍しい。

 冒頭画像、背後の壁面に見えているのは「一日一尻」と称して描き続けている、タカダヨウさんのドローイングのシリーズ。




 過去、たぴおで開かれた地下之会展は、照明を落として、いかにも「アングラ」的な雰囲気を出していた。
 それは、会場全体の演出としては成功していたかもしれないが、個々の作品を見るにはちょっと暗すぎたと思う。

 今回はギャラリーの壁面すべてをアルミホイルで覆ったのがすごい。
 これまでとは(そしてもちろん、ふだんのギャラリーとも)まったく異なる雰囲気づくりに成功している。




 おびただしい数の、おそらく200羽は超すであろう真っ赤な折鶴が、五円玉とともに、天井から吊り下げられている。
 これらの折鶴はすべて、折った後に頭をもぎとられている。




 書は、右の4枚は吉増剛造の詩を書いている。
 ジャンル横断的なグループ展は珍しくないが、書がこの種の展覧会にあるのはめったにない(少なくても筆者は記憶にない)




 人形は、フェルトなど複数の素材をあわせているのが珍しい。

 こういう若手グループが、むしろ老舗といっていいギャラリーで展覧会を開くのは、おもしろいと思う。

 都心部のギャラリーのうち、札幌時計台ギャラリーが、道内を代表する美術家やグループが展覧会を開く、いわばメインストリームの会場であったとすれば、ギャラリーたぴおは、反主流的な雰囲気をかもし出していた。
 美術史の本流にはおさまりづらい、アバンギャルドで、型破りな作品が並ぶのにふさわしい会場であったのだ。

 「たぴお」のアバンギャルド時代を担った作家の多くは鬼籍に入っている。
 そういう時代を知らないはずの若い世代が、飲食店でも、新しいギャラリーやスペースでもなく、たぴおで展覧会を開いているということ自体が、感慨深い。

 たぴおの貧乏くささ(ほめ言葉です)は、こうして次の世代に引き継がれていくのだろう。


 何枚か画像をアップしたが、赤い折り鶴やインスタレーションなど、とうてい会場の雰囲気は伝え切れていないので、実際に足を運んでいただきたいと思う。
 最終日の夜には余興もあるそうです。


2016年3月14日(月)~19日(土)午前11時~午後7時
ギャラリーたぴお(札幌市中央区北2西2 道特会館)

□地下之会公式サイトhttp://underground-mass.tumblr.com/
□地下之会公式 Facebookページ https://www.facebook.com/UndergroundMass/?hc_location=ufi


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