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■高幹雄個展 Taka Mikio ― Wild Honey Pie (2017年6月13~25日、札幌)

2017年06月22日 01時22分33秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 高幹雄さんの、どこか自己パロディーのような個展にも見えて、おもしろかったです。

 高さんは21世紀初めごろ、札幌やハンブルク(ドイツ)で盛んに個展を開く一方、ライジング・サン・ロックフェスティバルでライブペインティングを行うなど、最も目立っていた若手作家のひとりだったと思います。その後も、個展や兄弟展などを時折開いています。

 画風はちょくちょく変化していますが、高さんときいてまず連想するのは、ニスなどを大量に流し込んで、絵画の物質性を強調した作品です。
 今回も、ニスのほかに、蜜蠟みつろうをたくさん用いた作品が並んでおり、どろーっとした感じが、まるで蜂蜜のよう。
 そうしたら、個展タイトルが「野生の蜂蜜」。くすりと笑ってしまいました。
 しかも、本物か模型かわかりませんが蜂を据え付けてまわりを蜜蠟で固めた「女王蜂 The Queen Bee」という作品もあるのです。

 これは、かなり自覚的に「絵画の物質性」を強調しているのではないかと思えました。

 このほか「オレンジシブースト #2 Orange chiboust #2」は、、オレンジの輪切り128個を並べて、やはり蜜蠟やニスで固めたもの。
 ト・オン・カフェの中村恵さんによると、蜜蠟をふんだんに使っているので材料費がかさみ、売れてもあまり利益が出ないとのこと。
「でも、今回は作りたいものが作れた―と話していました」。

 高さんの作品にもうひとつ隠れた特徴があるとすれば、どこかに、死の匂いのようなものが漂っているように感じられること。
 左の、薔薇とおぼしき花を閉じ込めた作品は「人生の黄昏時に In the twilight on life」の#1~#3。

 ポップなのに死の気配がする、というのは、ウォーホルと共通しています。


2017年6月13日(火)~25日(日)午前10:30~午後10:00(日曜は8時まで)、会期中無休
to ov cafe(ト・オン・カフェ 札幌市中央区南9西3 マジソンハイツ)

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