北海道美術ネット別館

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■北海道教育大学札幌校芸術文化課程美術コース卒業・修了制作展 (2月14日で終了)

2009年02月23日 23時57分11秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 卒業展は、油彩、彫刻、木材造形、金属造形、視覚映像デザイン、情報デザインの6研究室からなる美術コースの展示。
 ことしは、大学院の修了展も同時に開催されています(1週間ほどずれる年も多い)。

 たぶん「札幌校」の卒業展は、今回が最後で、来年からは「岩見沢校」の卒展になるのでしょう。
 これまでと同様、この時計台ギャラリーでやるのかどうかはわかりませんが。

 3階D室とE室での修了制作展には6人が出品していますが、このうち菅原尚俊さんと青坂龍子さんは、社会人の方。のこる4人が学部を終えて2、3年の勉学をした人です。

 笠見康大さんは「entoptic」と題した2点の油彩を出品しました。



 これまでの作品とおなじ傾向です。
 実物を目にしたときの、前進色と後退色がめくるめくような感じは、ネットではとうてい味わえません。

 西田卓司さんのインスタレーション「コンストラクションブロックシリーズ」も、昨秋に札幌市役所でひらかれた「ART! MEET! MART!」での展開とさほど変化していません。



 今泉東子さん、大崎紗代さんも絵画を出品しています。




 卒業制作展のほうは、学部生にそういうことを求めるのがあるいは間違いなのかもしれないが、目を覆いがたいオリジナリティーの欠如を露呈している作品が散見された。マルレーネ・デュマスや武田浩志や朝日章をどこまで踏まえているのかしらないが…。
 あるいは、ひたすら自己模倣に徹している作り手もいる。思い切り冒険できるのは、若いうちなんだと思うけどね。

 オリジナルかどうか、個性的かどうかをいったんかっこにくくると、やっぱり、若々しくて元気のよい作品が印象にのこる。
 梶田みなみ「もりまもり」、杉田斐子「世界は今日も笑い出す」、吉成翔子「ほっこりお住まい」といった立体は、小さくまとまることを拒否して、自由にのびのび作っているだけでも評価できる。
 桑原千晶「とまれ」は、かんたんなパソコン操作で、走り続ける女の子の動作が変化するというもの。やたらと凝っている作品よりも、こういうシンプルなほうがおもしろいと思う。
 この数年、低迷していた映像が、復活のきざしを見せているのは喜ばしい。松本岳士「March」は、最近ではめずらしい、リズミカルでポップでしかも骨太な、戦争と全体主義への異議申し立てである。


2009年2月9日(月)-14日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A


カッコ内は、その年の卒業生で思い当たる人を、忘れないように挙げておきました。ちがってたらごめんなさい。人選に深い意味はないです。

2008年(西田卓司)
2007年(笠見康大、松尾道行)
2004年 (駒澤千波、富樫はるか、近藤寛史、大村敦史、船山奈月)
2003年 (野上裕之、境理絵、寺林陽子、佐竹真紀、小林麻美、船越りえ、千葉有造、坂本正太郎)
2002年 (笠原昌子)
2001年(出田郷、久野志乃、白戸麻衣)


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