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■中藤毅彦作品―写真の町東川賞歴代受賞作家写真展「写真と冒険」 (2019年7月20日〜8月28日、上川管内東川町)

2019年08月29日 08時31分54秒 | 展覧会の紹介-写真
(承前)

 6人の中で、心に残ったのが、中藤毅彦さんだった。
 なぜ印象的だったのかをきちっと説明するのは、とても難しいが。

 多くは、東京とおぼしき街のスナップ。

 コントラストの強いモノクロのスナップといえばつい森山大道氏を思い出してしまうが、よく見るとやはりぜんぜん違う。

 とりわけ冒頭の作品は、単に「チャップリンの独裁者」の映画ポスターが壁に破れかけて貼られているというだけなのだが、見る側はどうしても昨今の社会情勢を重ね合わせて見てしまう。
 そのとなりにいくつもの国旗がはためているさまを撮った作品が並んでいるのも、あるいは一因かもしれない。

(話はそれますが、なにか表現をする人は「チャップリンの独裁者」は絶対に見た方がいいです)

 ショーウインドウに映ったものを同時にフレームにおさめる、ダブルイメージの作品が目立つ。
 そうでなくとも、情報量の多めな感じがする。
 ただ、それでいて、たとえば新聞の写真とは違って、何がモティーフなのか案外とはっきりしないのが不思議なのだ。

 筆者はボンクラなので、まったく気がついていなかったのだが、中藤さんが北海道の風景を撮った作品は昨年、HOKKAIDO PHOTO FESTA の一環で、茶廊法邑で見ているし、さかのぼれば2014年にはコンチネンタルギャラリーで開かれた「表出する写真、北海道」でも展示されている。

 また、2016年には新さっぽろギャラリーで個展も開かれているが、筆者は見に行っていない。
 もったいないことをしたなあ。今札幌に住んでいたら、きっと行っていただろう。


 池袋だろうか。雪が積もった、東京ではめずらしい光景。

 このほか、六本木の雪景色の作品もあった。

 夏の北海道で、農業用のれんが倉庫に貼られた、雪の東京の写真を見るのは、なんだか妙な気分がする。


 高架道路かなにかの壁に貼られた青いクジラのイメージを撮ったスナップ。こういうビルボード? が現れては消えるのも、東京らしい。

 ちなみに、右側の塔は、消防団の建物。

 この倉庫の中は、フォトフェスタの最中には写真展などに使われる。

 筆者が行ったときは、マチはがらんとしていたけれど、これらの巨大なプリントはフォトフェスタをおおいに盛り上げたことだろうなと思う。


2019年7月20日(土)〜8月28日(水)
上川管内東川町東町2

□中藤毅彦 takehikonakafuji.com
□中藤さんのツイッター @nakafujitake


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表出する写真、北海道 (2014)






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