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■美水まどか“つつむ、つなぐ” (2014年6月14~29日、札幌)

2014年07月09日 23時07分20秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 
 美水よしみずまどかさんは、自分で漉いた紙を使って立体作品を作る札幌の作家である。

 紙のごわごわとした質感、存在感を前面に出した白い作品が印象的だった。
 その後、藍色に染め上げる手法を取り入れた。

 今回の個展では、久しぶりにあたらしい素材である「真綿」を導入した。
 はかなげな感じが、思いがけなく、紙という素材にマッチしているようだ。

 ただし、真綿を取り入れた動機というのが意外だった。人からすすめられて、日本真綿協会(そんな団体があるとは!)の公募展に応募してみたら、「真綿のビジュアルアート」分野で初出品で最高賞を得たというのだ。
 さすがというべきか。

 会場の壁の中央に展示された、インスタレーションふう作品。13のパーツを組み合わせた大作だ。
 紙は一枚一枚染められ、重ねられている。
「乾くのに時間がかかるところが大変です」
と美水さん。



 「海の繭」。
 日本真綿協会の受賞作と同系列の作品。
 たしかに繭のような、気持ちを包み込むような形状をしている。

 大作の部分に戻る。
 表面を横断する真綿は、どこかクモの巣やフィラメントに似て、はかなく、かすかだ。
 美水さんにいわせると、作品のどこにでもフィットするわけではないらしい。ただ、紙の存在感と、真綿のはかなさが、うまくかみあっているなあという印象を抱いた。

 出品作は次の通り。
cloud cloud
つなぐ
skya color
dawn
つつむ(同題3点)
海の繭(同題2点)
つなぐ(同題2点)
熾 (同題2点)


2014年6月14日(土)~29日(日)午前11時~午後6時(最終日~5時)、火曜休み
GALLERY 創(中央区南9西6)

http://madoka-yoshimizu.art.coocan.jp/

美水まどか・松原成樹 「余白から」展 (2008年11月)
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