![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/3c/b8c4dbdbc8fbe9dfedf02d497c35599d.jpg)
美水まどかさんは、自分で漉いた紙を使って立体作品を作る札幌の作家である。
紙のごわごわとした質感、存在感を前面に出した白い作品が印象的だった。
その後、藍色に染め上げる手法を取り入れた。
今回の個展では、久しぶりにあたらしい素材である「真綿」を導入した。
はかなげな感じが、思いがけなく、紙という素材にマッチしているようだ。
ただし、真綿を取り入れた動機というのが意外だった。人からすすめられて、日本真綿協会(そんな団体があるとは!)の公募展に応募してみたら、「真綿のビジュアルアート」分野で初出品で最高賞を得たというのだ。
さすがというべきか。
会場の壁の中央に展示された、インスタレーションふう作品。13のパーツを組み合わせた大作だ。
紙は一枚一枚染められ、重ねられている。
「乾くのに時間がかかるところが大変です」
と美水さん。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/82/a6a7e7692926d9942685ef60d91d01e4.jpg)
「海の繭」。
日本真綿協会の受賞作と同系列の作品。
たしかに繭のような、気持ちを包み込むような形状をしている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/a7/58abe7fa3bedb5cb3ce228433b801110.jpg)
表面を横断する真綿は、どこかクモの巣やフィラメントに似て、はかなく、かすかだ。
美水さんにいわせると、作品のどこにでもフィットするわけではないらしい。ただ、紙の存在感と、真綿のはかなさが、うまくかみあっているなあという印象を抱いた。
出品作は次の通り。
cloud cloud
つなぐ
skya color
dawn
つつむ(同題3点)
海の繭(同題2点)
つなぐ(同題2点)
熾 (同題2点)
2014年6月14日(土)~29日(日)午前11時~午後6時(最終日~5時)、火曜休み
GALLERY 創(中央区南9西6)
□http://madoka-yoshimizu.art.coocan.jp/
■美水まどか・松原成樹 「余白から」展 (2008年11月)
■美水まどか「雪の果 YUKI NO HATE」 (2008年4月、画像なし)
■美水円小品展(05年、画像なし)