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■山本正道展 (11月24日まで)

2009年11月18日 23時28分43秒 | 展覧会の紹介-彫刻、立体
 もうあまり残り日程がないけど、個人的にとっても感動した展覧会。おすすめです。


 正直に告白する。
 筆者はこれまで、北広島駅と野幌公民館(江別市)で、山本さんの風景彫刻作品を見たことがある。
 第一印象で、すてきだけれど、ちょっと甘美で感傷的なのかなと思った。
 でも、今回の個展で、その印象が誤りであったことがわかった。

 詩的で叙情的であるのは確かだけど、甘ったるいのとは違う。
 彼の彫刻は、深い。

 彼の彫刻は、シンプルで、象徴的な表現をとっている。
 木々と、少女と、ロバ。
 それらの間には広い空間があいている。
 だからこそ、隅々まで作り込んだ作品よりもかえって、見る側が思いを託せるのだろう。


 順番が逆さまになったけれど、展覧会の概要をちょっとだけ。

 山本正道さんは1941年(昭和16年)生まれの彫刻家。東京藝大卒。
 父は陶芸家の山本正年(後志管内余市町生まれ)で、彼の作品は、道立近代美術館がたくさん所蔵している。
 母が小樽出身だったことから、幼いころ、半年ほどだが、小樽に疎開している。
 風景と人物などを一体化させた「風景彫刻」で注目された。
 「風景彫刻」やテラコッタの人物などを含む彫刻37点と、素描46点が出品されている。

 
 で、やっぱり風景彫刻が良い。
 しゃがんで見てみる。じぶんが、小さくなって、彫刻の中に入り込んでしまったように感じられる。
 人物プラス台座の古典的な彫刻は、見る側との間になにかしら見えない境界線のようなものがあるという感じがするけれど、山本正道さんの風景彫刻は、じっと見ているうちに、すっかり自分と同一の世界の中にたたずんでいるように思われてくるのだ。

 長くなったので、次のエントリで、気に入った作品について書く。


2009年10月3日(土)-11月23日(月)9:45-17:00(入館は16:30まで)
札幌芸術の森美術館(南区芸術の森2)
一般700円、65歳以上560円、高校・大学生350円、小中学生150円。障がい者手帳のある人と付き添い1人は無料

・地下鉄南北線真駒内駅バスターミナルの「2番乗り場」から北海道中央バスに乗り「札幌芸術の森入り口」降車
(「2番」のバスじゃなくて、2番乗り場で「芸術の森センター行き」「サンブライト行き」に乗ること。1DAYカードは使えないので注意)


山本正道「森と少女(誕生・成就)」


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