もともと空や星空の写真を得意としていた札幌の若手写真家の置田貴代美さんですが、ことし夏の東川フォトフェスタでは、がらりと変わって心象風景的な作品を出していました。今回もその延長線上というか、かなりの作品がそのときと重複しています。
作品は12点。
すべてモノクロか、モノクロにちかいカラー。
いずれも、英語の題がついています。
空の写真はありません。
筆者が気になったのは「scene」や「landscape」。
「scene」は、野の花が写っていますが、あえてピンボケぎみ。
「landscape」も、ポプラが被写体ですが、ぼんやりしています。
これは、原初の視角なのではないか。
これらの写真は、いわば、ことばをおぼえる前の、赤ちゃんの視野のように見える。
わたしたちは、ものを見ているようで、じつはすぐになにかの概念に分類してしまい、ものをほんとうには見ていないのではないか。花の写真は、すぐに「花だな」と納得してしまい、そこにある光と影のたわむれを、見逃しているのではないか。
記号や、ことばや、概念にとらわれ、汚されてしまった視角のリセット。原初性の恢復。
そうしたときに、あらためて、なにが見えてくるのか。
どういった光景が網膜に到達するのだろうか…。
ここに書いたのは、あくまでヤナイの見方であって、ほんとうはぜんぜんちがうのかもしれない。
個展会場にあった作者のことば。
なにかをつかもうとしている手のシルエットをうつした「hold」。
ガラス瓶にさしてある花の影絵をとらえた「silhouete」や、下からライトを浴びた花の「glory」。
冒頭の画像は「flower」。
そういえば、花の写真が多い。
作者自身の前の中空にリンゴが浮かぶ「intelligence」。
はっきりとはことばで明示されないけれども、なにかを、それも、だいじなことを、語ろうとしているのが、とてもひしひしと、つたわってくるようです。
上のことばの横に、略歴とともにあった、作者の顔写真も、筆者の知っている置田さんよりも、なにかきびしい表情だった。それも、作者の意気込みのあらわれなんじゃないかと思えました。
会場では、ポストカードと来年のカレンダーを発売中です。
カレンダーは500円と、お買い得だと思います。
10月26日(木)-11月21日(火)12:00-24:00(日曜・祝日-21:00)、水曜・11月7日(火)は休み
CAFE ESQUISSE(カフェ エスキス) (中央区北1西23 メゾンドブーケ円山 地図D)
□置田さんのサイト「SKY SCENE」
■05年12月の個展「空の叙事詩」(画像なし)
■東川町フォト・フェスタでの発表(06年7月)
作品は12点。
すべてモノクロか、モノクロにちかいカラー。
いずれも、英語の題がついています。
空の写真はありません。
筆者が気になったのは「scene」や「landscape」。
「scene」は、野の花が写っていますが、あえてピンボケぎみ。
「landscape」も、ポプラが被写体ですが、ぼんやりしています。
これは、原初の視角なのではないか。
これらの写真は、いわば、ことばをおぼえる前の、赤ちゃんの視野のように見える。
わたしたちは、ものを見ているようで、じつはすぐになにかの概念に分類してしまい、ものをほんとうには見ていないのではないか。花の写真は、すぐに「花だな」と納得してしまい、そこにある光と影のたわむれを、見逃しているのではないか。
記号や、ことばや、概念にとらわれ、汚されてしまった視角のリセット。原初性の恢復。
そうしたときに、あらためて、なにが見えてくるのか。
どういった光景が網膜に到達するのだろうか…。
ここに書いたのは、あくまでヤナイの見方であって、ほんとうはぜんぜんちがうのかもしれない。
日々の意識の中で
脳が見せる世界は
時々不鮮明で
時々驚くほど鮮明
その世界の理由を
少しでも理解できたらと
目の前に映し出す
個展会場にあった作者のことば。
なにかをつかもうとしている手のシルエットをうつした「hold」。
ガラス瓶にさしてある花の影絵をとらえた「silhouete」や、下からライトを浴びた花の「glory」。
冒頭の画像は「flower」。
そういえば、花の写真が多い。
作者自身の前の中空にリンゴが浮かぶ「intelligence」。
はっきりとはことばで明示されないけれども、なにかを、それも、だいじなことを、語ろうとしているのが、とてもひしひしと、つたわってくるようです。
上のことばの横に、略歴とともにあった、作者の顔写真も、筆者の知っている置田さんよりも、なにかきびしい表情だった。それも、作者の意気込みのあらわれなんじゃないかと思えました。
会場では、ポストカードと来年のカレンダーを発売中です。
カレンダーは500円と、お買い得だと思います。
10月26日(木)-11月21日(火)12:00-24:00(日曜・祝日-21:00)、水曜・11月7日(火)は休み
CAFE ESQUISSE(カフェ エスキス) (中央区北1西23 メゾンドブーケ円山 地図D)
□置田さんのサイト「SKY SCENE」
■05年12月の個展「空の叙事詩」(画像なし)
■東川町フォト・フェスタでの発表(06年7月)
そういうこともできるんですね。
フレンチコーヒーの美味しさと、
静かに問うモノクロフォト、
ステキなひとときでした。
コーヒーもおいしかったです。
ご感想ありがとうございます。
「原初の視覚」という言葉は、はなんかぴったりきます。
自分でもなんと言葉で表現したらいいか解らなかったので。赤ちゃん、もしくは生まれてくる前、或いは別の世界で目覚めた時のもの。な感じです。
それからカレンダーは手作りです。
今年一年お世話になりました価格です(笑)。
書いた甲斐があったというものです。
カレンダー、職場の机に置いてありますよ。
そろそろ年末年始の紙面をどうつくるか、という時期なので…。
行ってきました。
静止している一枚一枚なのに
この次の瞬間はどうなっているんだろう?
と、気になりました。
止まっているものが動きだすように
思えてしかたありませんでした。
私もカレンダー、ゲットしてきました。
ふむふむ。
気配のある写真
ということなんでしょうか。
昨日、おかげさまで無事個展最終日を迎えました。
いろんなかたからご感想をいただけて、自分では気づかなかったことも発見させてもらったり。
女性のお客さんから「小宇宙ですね」という感想をもらったときは、あぁ、外(本当の宇宙)なり内(頭の中)なりやっぱり宇宙なのかとも思ったり。
また次の発表のとき、おしえてください。