北海道美術ネット別館

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■いのこり展 (3月1日まで)

2009年02月28日 23時33分34秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 阿南沙織、大石若菜、中林亜沙子、宮川友維の4氏による映像とインスタレーションの展覧会。
 フライヤーには、大学にいのこって制作を続けてきた4人の展覧会-という意味のことが書いてありましたが、どの大学かは明記されていません。会場の展示を見ると、どうやら道教大のようです。

 宮川さんのアニメーションが印象に残りました。
 5本のうち2本は過去に見たことがあるのですが、短篇とあってそれほど強く記憶に残ったわけではありません。今回、5本まとめて見て、なにかやさしい気持ちになれたような気がしました。
 作品はいずれも、背景も人物も水彩画のトーンで描かれた、日常の一こまが変容する物語です。

 「ゆらめく」は、セミがけたたましく鳴く猛暑の午後、道を歩く少年の影が水になり、ふいに彼がその水の中に沈んでいくというもの。
 卒業制作となる「いつか いつのひか」は、放課後残って大きなカンバスに向かう少年が、ふいに絵の中に入り込んで、少女と手をつないで走り出します。

 風に揺らぐ白いカーテン。
 校舎の窓の下を歩きすぎるセーラー服の少女。
 細部まで丁寧に描かれていることに好感を抱いた。

 音響への配慮が細やかなのも良い。いずれも音楽は控えめで、水滴の落ちる音などがとても大事にされている。

 派手なところはまったくない。
 「ユキノヒ」「20」「ささやき」も、しずかな世界だ。
 でも、人の心を癒やすのは、こういう作品なのかもしれないと思った。


2009年2月24日-3月1日10:00-18:00(最終日-16:00)
コンチネンタルギャラリー(中央区南1西11、コンチネンタルビル地下1階 地図C)

・地下鉄東西線「西11丁目」、市電「中央区役所前」から徒歩1、2分
・じょうてつバス「西11丁目駅前」から徒歩1-3分


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
描き重ねる心象風景 (エゾ三毛猫)
2009-03-01 07:37:36
宮川さんのアニメは、毎回毎回
よくできていますね。
数分の作品ですがえらく時間の
かかっている大作ばかりです。

いのこり展という名前の面白さ
だけに行きましたが、全体的な
レベルの高さにびっくり。

似たような企画でアイボリーに
いきましたが、、、、。
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ブロックビル4階 (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2009-03-01 10:39:55
わたしもいきましたが、、、、、。
返信する

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