武田光弘画楽多製作日記

暇をもてあそび造形してます。作品として形としてまとめたものなどを見ていただきたい
と思っています。

告別

2014年12月26日 | Weblog
汽車は出発せんと欲し
汽鑊(かま)に石炭は積まれたり
いま遠き信号燈(シグナル)と鉄路の向ふへ
汽車は国境を越え行かんとす・・・・・・
・・・・・・・・・・・・萩原朔太郎


そんな詩を読んでいると思い出した。あの機関車の煙はき走る様を。卒業式が終わると先生との別れがあった。木曽路にはまだD51が走っていた。生徒が送るという儀式だと言うので、私は転任の先輩と一緒に駅頭でお別れのあいさつをし汽車に乗った。線路沿いには生徒が並んで手を振って送ってくれた。
私たちは次の駅で降り、用意された車でコッソリ学校にもどり片づけをした。

下宿のオバサンから、次の人が来たと連絡がありアワテテ生徒に逢わないよう下宿に帰り荷物をまとめた。

独身だったので大きな荷物はフトンくらいで、あっさりしたものだ。その日、オバサンが頼んでくれた隣りのオジサンの軽トラで次の学校の住宅に送り込まれた。

こんな時代に生まれたわたしはきっと幸福なのでしょう。